エヌスペインパクト

http://www.nhk.or.jp/special/libraly/05/l0011/l1105.html
http://matsuda.c.u-tokyo.ac.jp/sci/
 土曜日のNHKスペシャル立花隆最前線報告 サイボーグ技術が人類を変える』は、二日経ってもなお記憶にこびりつく代物。直後にメモ(id:goldhead:20051105#p1)したりしたが、回りに見た人なども多く、やはりいろいろ考えてしまう。
 しかしなんだろう、パーキンソンはともかく重度鬱病の治療。あれはもろに心をいじるという感もあり、ある種の倫理観を持つ人には耐え難いことかもしれない。俺などはここらあたり、心なんて大した物じゃなく、化学物質でどうにかなるならどうにかなるに越したことはない、という人間なので、そこらあたりはどうでもよろしい。それより思い出したのが、精神医療で行われていた(いる)「電パチ」こと電気ショック療法のことだ。こんかい紹介された奴は、ピンポイントで「悲しみ」の領域に電気を通して刺激するものだったが、電気ショックはその原形だったのかな、とか。
 つまりはこうだ、昔の人はある草や実に薬効があるのに気づいた(この気づいた端緒も不思議な問題なのだが)が、その植物の何という化学物質が、人体の中の何という化学物質に大して効果があるのかは知らなかったわけだ。それがやがて、西洋医学ではその成分を発見・抽出して、ピンポイントで病に直撃させるようになった。一方、東洋医学、いわゆる漢方薬は、生薬全体の効果をそのままに現代に至ったと。だからといって、東洋が劣っているというわけでもなく、まあ使いどころに応じてってのが大切なわけだ。
 ということで、電気ショックも東洋的な総合治療として、これからも残していくべきではないのか。……って、嘘です、冗談です。だいたい、上の連想は合ってる確率は限りなく低い、単なる文系門外漢の思いつきなんです、はい。
 あと、何だろう、母と話したとき、やっぱりパーキンソンの話になった。それと、うちの母親はガンダムの小説が好きだったので、有線サイコミュと言うとすぐに察したのである。ちょっとすごくない?
 それとあれだ、すぐ上の本に載っていた帝釈天のことを思いだした。帝釈天は女癖が悪く、罰として体中に千の女陰をつけられてしまったのだ(女陰なのに万個でなく千個とはこれいかに? その後修行により千の眼に変わったので、葛飾柴又も安心である)。これはなんだろう、ああいった技術を使えば全身性感帯そのものも誕生するんだよな、とか。
 ああ、けどそうだよな、こういうのはとっくの昔に偉大なるSF作家たちが考えに考え抜いてきたことだ。十年、二十年前に通り過ぎてきた場所だぜ、と。だからあれだ、世界的な議論を、という前に、いくつかの素晴らしいSF作品を読むべきなんだよ、みんな。冗談じゃなく、最良の叩き台になるはずだ。世界の識者が集まった会議の真ん中で、我らがキルゴア・トラウトが大演説をかます、そんなことを想像するのは、ちょっと楽しい。