ラーメン屋に並ぶやつの気が知れない

ラーメン屋に並ぶやつの気が知れない。それ以上でもそれ以下でもない。おれにはあの行列の意味がわからん。

と、思っていたのだが、「気が知れない」で片付けていいのだろうか。この世の中の小さな諍いから大きな戦争まで、相手を「気が知れない」で片付けてしまっているからこそ起こるのだ。

「気が知れない」のなら「気を知ってみればいい」のだ。これぞ合気の道である。そして合気の道こそがこの地球を救う鍵になるのかもしれない。

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地球の中華そば

食べログ 地球の中華そば

というわけで、図書館帰りに並んでみました「地球(ほし)の中華そば」。変な名前のラーメン屋できてんなぁと思ってからしばらく、気づけばいつも行列ができるようになっていた。それでもおれは「気が知れない」のであって、行列ができていない「ゆで太郎」でそば湯ばかり飲んでいました。

が、(ゴールデンウィークもそろそろ飽きてきた)今日こそがチャンス、と行列のうしろに並んでみた。覗きこむのも失礼かと思い、しっかり数えていないけれど7人か8人くらい。でもって、これがぜんぜん変動しないまま時間が過ぎていく。そういうものなのか? ふと後ろを見てみると、同じくらいの人数が列をなしていた。と、店員さんが出てきて、列の人に「お一人さまですか、お二人さまですか」と聴いていった。それでもなかなか客が店から出てくる気配がない。もうちょっと回転が早いものかと思っていた。

と、突然列が動いた。最初に二人組の夫婦らしき人がいったん店内に入り、食券だけ買ってまた出てきた。しばらくするとまた呼ばれて入っていった。そのあとはとんとんびょうしでおれの番。「お待たせしました、食券をまずお買い求めください」。どうも塩ラーメンの店らしいから塩だ。それにせっかくだからチャーシューと煮玉子だ。と思っていたが、焦ってしまって塩、チャーシュー、980円のボタンだけ押して、その食券を渡してしまった。ライス、とかの選択肢もあったのだが。

ともかく席について待つ。高菜があったり、高菜を食べて店から追い出されるとか、そういう雰囲気はぜんぜんない。清潔でシンプル。そして、目の前で店主さんらしき人がせっせとラーメンを作っている。麺の様子を見て、スープを漉して、トッピングしてと、大忙しである。ラーメンってこんなに忙しそうに作るのか、と同時に、ダンス? いや、DJプレイ? とんかつDJ? とか馬鹿な妄想は膨らんでいった。

と、思ったらラーメン来た。丼が妙に鋭角的だ。

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なにか球状のものが浮いていて楽しい。とりあえず……どうしたんだっけ? スープを飲んでみたのか、いきなりチャーシューにいったのか……覚えてない。ただ、スープはこう、なんつーの、あっさりしつつもダシが効いているというの? どんどん飲めてしまう。そしてチャーシューもパサパサからは程遠く、かといってトロットロすぎずちょうどいい塩梅の噛みごたえがあって、麺もやや細めか、ズズズーっと食えて。それで三分の一くらい食べたところで、目の前に置いてあった胡椒のガリガリやるやつで胡椒をガリガリやって、そうしてみたらまたちょっと風味が変わって、あんた美味しいのよ。身体には悪いかもしれないが(塩分的に)、スープも飲み干さずにはおられず完食。たいへん満足でした。今度は煮玉子、あと白湯スープというのも気になるな。うん。

……って、普通に食い物の感想文になってんじゃん。問題は「ラーメン屋に並ぶやつの気が知れたか」だ。まあ、やや知れたといっていい。ここに和解は成立した。待ち時間40分、調理待ちと食べ時間20分くらいで、980円。悪くない趣味かもしれない。それに、待ち時間も本でも読んでりゃあんまり気にならんね。とはいえなんだね、やっぱり行列のできるラーメンはそれなりにそれなりの味がするもんやね。天地がひっくり返って地球が割れるような衝撃はなかったけど、普通にうまいし。月に一度くらいは並んでみよう。あるいは、べつの店舗。ここらで行列ができるラーメン屋といえば、ラーメン二郎関内店……いや、華隆餐館が有る限り、目の前のラーメン二郎 関内店に入ることは出来ない。つーか、華隆餐館ぜんぜん行ってないな。日曜の昼、やってんのかな。まあいいや今度行こう。以上。