伊勢佐木モールのブックオフで男物の古着売ってるんよ。それで、本来の売り場でない一階で、500円限定セール! みたいに、なんか吊るされてたの。で、その中になんか立派なのがあって、Timberlandの……カーディガンとコートの折衷案みたいなやつで、サイズがLLだったわけ。おれはスモールな人間なので、デカすぎるかと思ったけど、男はデカいTimberlandっしょ if you want? ということで、ちょっと悩んで買ったのよ。
したらね、ものはいいのよね、たぶん。ボタンとか折り返したところの模様とかね。デカさもデカいけど、『ビッグ・リボウスキ』のデュードが着てるなにかみたいな感じで、悪くないのね。でもね、買うときに全く気づかなったのだけれど、わりと目立つところにペンキだか、毛染めだかの汚れがあったんよ。サイズばかり気にして、なんでこれが500円だったかというところに気がいかなかったわけ。
とはいえ、ちょっともったいないような気もしつつ部屋着に使う。これ、ダラっと長くて暖かい。悪くない。
……というのを着ていたわけさ。それで、伊勢うどん茹でてた。伊勢うどんといえば、あえて「コシ」とは逆方向を目指したうどんよ。おれはそのふやけ方が好きなのよ。そんなうどんを茹でていたのよ。
したら、おれの左腕の炎龍の封印が解かれて、炎の渦が……って、ほんとにそんな感じで、「人間というのは自分の服が燃えているのに下らないことを考えるものだな」などと思ったわけ。いや、料理してて服に火が着いたの初めてだわ。というか、服に火が着いたこと自体初めてか? ともかく、ぐるぐるっと炎がTimberlandのダラッとした袖を昇ってきたわけ。ボーボー燃えるんじゃなくて、ほんとうにグルグルっとさ。そう、すぐ消えていくのね。それで、たぶんあっという間に鎮火したわけ。
なんだったんだ、いったい、という。そりゃ、ボーボー燃えて消えなければ、台所なんだから水に腕突っ込んだり、狭いアパートなんだからユニットバスに駆け込んでシャワーで消火したりしたろうけど、勝手に消えた。古着だから前の所有者がなにに使っていたかわからないが、袖にグルグルと油を染み込ませたりしていたのだろうか? わけがわからない。
そして、おれは焦げくさい部屋着を着たままうどんを食った。そして、焦げくさい部屋着を着ながらこれを打っている。
あと、ちょっとこれも頭をよぎったことを記しておく。おれはイングヴェイ・マルムスティーンを聴いたことはないが。
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