悲しいガンダム

 あいにくの雨降りの中、祖父の納骨式のために愛川町まで行った。天気も悪く、墓参りに来る人も少ないかと思ったが、駐車場がいっぱいなので意外であった。
 祖母の手を引きながら、墓を目指して斜面を登る。ゆっくり登る。ふと、さまざまな墓石に目をやる。古いのや新しいの、規格品や独特の形の物……。そんな中、場違いで、鮮明な色が飛び込んできた。赤と青と白。ガンダムウィングだ。墓石の正面から、こちらを向いて立っている。左右には名前を知らないウルトラマンが立っている。手前には、いかつい顔をしたGP02の姿がある。雨に濡れながら、お墓を守るように立っている。
俺はこんなに悲しいガンダムを見たことがなかった。