どこから来て、どこへ行くのか

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050524-00000105-kyodo-soci

米大陸最初の父母は70人 遺伝子分析から新説

 まだアジアと北米が地続きだったころ、そこを歩いて渡った父母は七十人だったという話である。私はこの記事を読んで一つの本を思い出した。思い出したはいいが、タイトルも著者の名も忘れていた。しかし、検索すれば出てくる。これだ。

『一万年の旅路―ネイティヴ・アメリカンの口承史』ASIN:4881356070

人類ははるか一万年前、ベーリング陸橋を越え、アジアから北米へ渡った。イロコイ族の血をひく女性が未来の世代へ贈る、一万年間語り継がれたモンゴロイドの大いなる旅路。

 今回のニュースそのものズバリといった内容。そしてこの本、とにかく滅法面白かった。けっこう長かったが、一気に読んでしまった記憶がある。果たしてこの本の内容に伝えられる物語が、どこまで真実なのか、あるい口承自体が真実なのかどうかはどうでもいい。こりゃ面白かったよ。面白い、面白い言うのは、他に何も覚えていないのだから、私の真実性にも疑問が残るのだけれど。
 しかし、人間というのも妙なものだ。アフリカで生まれたならアフリカにおればいいものを、わざわざ寒いところにいく奴も居れば、もっと暑いところにいく奴も居る。もっとましな場所を求めて旅をすればいいのに、ここら辺でいいやと変な所に住み着いてしまう奴もいる。日本あたりに腰を落ち着けた自分の祖先には感謝したいところだけれど、住めば都という言葉もあるか。しかし、人はどこから来てどこへ行くのか。私は山手から来て関内へ行く。さあれかし。