ラブワゴンでエレクション

http://www.asahi.com/politics/update/0312/005.html

 12日告示された横浜市長選は、02年の前回選挙で、当時の政権与党3党が推す現職を破った「無党派候補」の中田宏市長(41)が、今回は一転して自民、民主、公明の3党の支持を受けての「政党相乗り候補」となる構図となった。
 市長選には、ほかに共産党推薦の海洋学者の松川康夫氏(64)、元東芝社員の遠藤賢次郎氏(63)の新顔2人が立候補している。

 自由や人権や民主主義。それらはそれらの建前を保つことによって保たれる。最低限、フィクションを保つことによってノンフィクションを享受できる。そんなものではないかという、漠然とした「感じ」が俺にはある。
 イベントとしての選挙もまさにそれだ。もちろん、国の方向を選択する選挙もある。一方で、手続き上の選挙があることも否定できまい。しかし、その手続きが行われてしますよ、という経過こそ本質なのかもしれない。名前に人民や民主主義の入った人民や民主主義抜きの国でも、その建前だけは守ろうとする。投票率ならびに得票率99.9%。彼らすら気にする。それだけ、建前というのは重要な意味を持つのだ。
 ……と、ここまで言っておいた上でこう思ってしまう俺も居るわけだ、「今回の市長選、コールドゲームでよくね?」と。テレビなどで顔と名前も売れている現職市長に自民党公明党民主党ネットワーク横浜、それに労組一つが支持で、いったい何が問えるのか、と。だいたい、永田議員のメール問題で政治への関心も高まろうというときに、政令指定都市の首長選で相乗りかよ。いったい選挙費用どれだけかかるんだ。ライブドアの株券郵送費用の話じゃねぇけどさ。もう、審判出てきて「ゲームセット!」でいいじゃねえか。選挙カーうるさいもん、もう、お開き、お開き。
 ……とはいかんのだ。それでも、そう思ってしまうということだ。しかし、こんな中でも立候補者が三人居てくれて格好はついた。さすがに二人はまずい。そういう意味で、以前県知事選でも名前をお見かけしたと思われる遠藤賢次郎氏はエライのだ。彼によって横浜の、いや、この国の民主主義が保たれたと言っても過言ではないのである。そういう意味で、今回の投票率や各候補の得票には注目していこうかと思う次第であった。三連単のオッズは元返しだとしても。