いろいろなハトがいる

 黒っぽいハト、白っぽいハト、灰色のハト。せわしなく動くハト、あまり動かないハト、急に飛び立つハト。貪欲なハト、尻込みするハト、びっこのハト。脚の潰れたハト、矢のささったハト、釣り糸が絡んで死ぬハト。車のフロントガラスにぶつかって死ぬハト、ネコに襲われて死ぬハト、車に轢かれるハト。それでもやっぱり、脚をつぶされて、まだ生きて前を見ているのに、自動車に轢きつぶされるのを待つしかなったあのハトが一番記憶に残る。