ロジユニヴァースの敗北

「どうしたんだろう、分からない。どう見た?あんなに負ける馬なのか!?」

http://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2009/04/20/02.html

 俺は、今年の皐月賞を、酩酊状態の中で見た。朝から伊勢佐木町に繰り出し、メガネを調整し、髪を切り、古本屋を巡り、気づいてみれば三時ちょっと前、肺よ破けろとばかりに走って帰って、蒸し風呂のような西日の部屋、乾いたのど、冷蔵庫から発泡酒、夢の中で皐月賞は走り出し、俺は四角から抜け出すロジユニヴァースを見た(と思った)。粘り込むリーチザクラウンを、最後の最後に突っ込んできてぶっ差すフィフスペトルを見た(と思った)。
 なんか、嘘だろう。
 高速決着、ハイペース。そこに不安がある。井崎脩五郎の言った通りになった。だが、ここまでとは。どうしたんだろう。わからない。ラジオで長谷川仁志も、ほとんどロジが勝つと、確信を持っていると、そう言っていた。俺も、一強気分だった。わからない。どうしたんだろう。
 さあ、どうしよう。何を。ダービーを。俺は、ダービーで、リーチザクラウンが巻き返すような、そんなつもりでいた。一冠目を順調に獲った、無敗のロジが人気するところを、スペシャルウィークの子らしく、極限まで体重を減らしてきた、キリキリに仕上げてきた、リーチザクラウンが、射止めるのだと。それが、この有様で、どうしたものだろう。わからない。俺は、アントニオバローズを買おうか、そんなふうに、とりあえず、思っている。