二宮の方に行った。帰りに大船に寄る。大船。俺の町、大船。俺の町だった、大船。大船が俺をどう思ってるかは知らないけれど。
大船はにぎわっている。さびれてはおらん。町が狭い。雑然としていて、人がたくさんいる。昔とちょっと違うのは、安売りチェーン店が増えてきたことだ。カラオケ店、ドラッグストア、その他いろいろ。今は、それも呑み込んでにぎわっている。今のところは、いい感じかもしれない。笠間口のおかげで、ヤマダ電機などもできた。
西友が息を吹き返していた。
大船の西友を知らなければ、大船の西友に行くべきである。深夜営業中の雰囲気はすばらしい。
無知はまた一つ塗り替えられる - 関内関外日記(跡地)
この西友だ。がらりと変わっていた。一階は飲料、加工食品。地下に生鮮食品。これが24時間営業。地下には行っていない。一階である。その商品の量、並び方。なんとかいう舶来のスーパーのようである。なんとかいう、ではなく、ウォルマート、か。劇的に安い。衣料品、バカみたいに安い。売り場の雰囲気は、どこかユニクロ、いやH&Mのよう。
客も、それなりに入っていたよう。ただ、圧倒的に店員が足りないと感じた。俺は600円のシャツを買おうとレジに行く。前に四人並んでいる。ただ、レジに人がいない。呼び出しボタンがあり、それを押したようだが、来ないのだ。「このまま持って帰っていいのかな?」などと十四回くらい考えたところで、ようやく中……中高年女性の店員が一人。決して早くないレジ打ちがはじまる。気づくと、俺のうしろにも5人、6人。レジに人がいる、という空気を感じて集まってきたのか。
俺のあとが、悲惨だった。俺のうしろのおっさんが、吊しのスーツを、2着も買う。やはりスーツは丁寧に梱包せねばならん。また、レジが無人。館内には、よく「ヘルプ」の放送が流れる。一階で、地下で。
一階で、地下で。
一階の酒売り場で、「Scotch」とだけ書かれた780円のScotchが売られていた。スコッチを名乗るからにはスコッチの要件を満たしているのだろう。ただ、銘柄もなにもなく「Scotch Whiskey」なのである。あれはどんな味がするのか?