『版画と彫刻による悲しみとユーモア- 浜田知明の世界展」』神奈川県立近代美術館・葉山館

 葉山を歩いていたら葉山館があったので入った。浜田知明という人の展覧会をやっていた。

1981年に中日ドラゴンズからドラフト5位指名を受けているが、入団拒否。1982年にドラフト5位で阪神タイガースに入団。
1年目に1軍初登板するものの、腰痛などの持病に泣かされ1984年から3年間は1軍登板がなかった。1987年に自己最多の23試合に登板している。
1989 年オフに自由契約になり、打撃投手に転向。

浜田知明 (野球) - Wikipedia

 やはり「初年兵哀歌」シリーズというのが強い。喉に銃口をあて、足の親指でトリガーをひこうとしている(歩哨)、兵士の首吊りを描いた(便所の伝説)。このあたりだ。兵士が芋虫と化し横たわり、三八式歩兵銃だけが起立する彫刻。あと、(ぐにゃぐにゃした太陽がのぼる)などで、進軍する歩兵の列のディテール、その形が哀しいユーモアだ。水木しげるに通じるものがあると思う。
 なんといっていいかわからんが、形がピシッとして、くるところにきている感じがある。腐刻画らしい細い細い線が精密に走っている。ただ、その形の設計そのものは、写実ではなく大胆なデフォルメがあり漫画のよう。ある意味、「かわいい」というところもある。立体の方も限られたサイズの中でビタッときている。そういう印象。
 ほか気に入ったのはエッチングの「幼きキリスト」。熊本市現代美術館図書館のための「セルパンの門」、これはかっこいい。風刺ものについては見ての通り。