河内貴哉、戦力外に。


さらば、ウッチー

10月31日(土)付けで、下記の選手に戦力外通告致しましたので、お知らせいたします。
 ≪投手≫
・河内 貴哉 (27歳)
・山中 達也 (20歳)
計2名

http://www.carp.co.jp/news09/s-051.html

(追記:↑はたしかに存在したはずなんだけれども、なんか後から消えてるのね)

 かかか、河内貴哉……! ついにか。いや、薄々こうなる日が来るような気はしていたさ。しかし、まったく、ああ、あまり信じたくないな。そりゃあ、怪我もあったろう。でも、なんというか、俺の中では、投球フォーム探しの旅に出て、そのまま帰らなかったという印象だ。旅に出たら清川が現れた。どうする? 選択肢はひとつしかない……。「サイドスローで、投げたいです」。
 ああ、しかし、河内よ、俺の大好きだった、あのころのカープ。そうだ、苫米地鉄人はいち早くユニフォームを脱いだのだった。

特に苫米地鉄人。同期のドラフト一位は河内貴哉で、前評判は圧倒的に河内。しかし、当時評論家だった落合博満が「河内とはものが違う」と言ったのですよ、逆じゃないですよ。私は少なからず落合好きなもので、「いったいどんな大物なんだろう」と興味津々。果たして出てきた背番号54、オープン戦でFAで巨人に移籍したばかりの江藤智内野手の内角をえぐり、「もう仲間じゃないから」と言い放つ気の強さ。いつの試合とは明言できないが、甲子園での阪神戦。たしか延長だったと思うが満塁でサヨナラのケース、そこに出てきた苫米地の落ち着きっぷりと頼もしさときたら。「これが高卒ルーキーか!」と一気に虜になったもの。また、同期河内へのライバル心も強く、河内の後を継いでリリーフ登板、そして失敗したときなど、涙を見せていたものですよ。あの輝きはどこへいったのか。ルーキーのときあれだけやれたというのに。……あれだけ使われたからうまく育たなかったのかな。

来る者、去る者、そして鈴衛佑規の一万年 - 関内関外日記(跡地)

 まあ、これは苫米地の記事なので、それほど河内を持ち上げてはいないが、しかし、やはりあの、「ウッチーベッチー」の大ブレイクを、俺は夢見ていたんだ。なにせ、江夏以来の甲子園出場のない高校生投手のドラフトにおける指名の競合(えらく細かい‘江夏以来’だな)、そしてなにより、背番号「24」! 大野豊の現役を知る者にとって、その意味はものすごく大きかった……! テレビのプロ野球選手運動大会でも、さすが広島の選手の身体能力はすごい、というような走りを見せていたじゃないか……。
 

さらば、追憶の1999年

 河内は、1900年代最後のドラフト会議を経てプロ入りした。なんだろう、ざっと見渡すと、他球団をふくめ、個性的だな、と思う。
 正田樹は甲子園での活躍が記憶に新しいし、吉崎勝はへんな投げ方で、佐々木貴賀ベルダンディーだった。山口和男は速球派で、岩下修一は難病を克服した。鷹野史寿は子連れルーキーとして注目され、山北茂利は「和製ランディ・ジョンソン」という不吉な二つ名を乗り越えられなかった。佐藤宏志は広島出身でゴーグルをしていたし、條辺剛うどん屋になった。田中一徳は小さく、中野渡進は大きく、そしてアルファベット表記がでたらめに長かった。河内貴哉オーバースローサイドスローの無間地獄に落ち、木村一喜は「森伊蔵を飲んだのは私です」と制裁を受け、苫米地鉄人は江藤の内角をえぐった。
 たんに、俺の記憶が濃いだけだろうか。そうかもしれない。バイアスだ。ここらあたりに、俺の野球熱、カープ熱のひとつのピークがあったように思える。今はかなり里に下りてきている。だけれども、追憶については現役だ。俺の中で、この選手たちは現役だ。今だって、田中一徳は小さく、中野渡進は大きい……! 俺はこれからも、こんな野球ファン、カープファンなのだろう。そう思う。

横浜スタジアムの写真は今朝撮ったもの。今ならまだ工藤の勇姿が見られる)

追記

 ようわからんが、上の戦力外のお知らせが消えてて、あとから入ったイベントの参加者に山中の名前も。誤報……って、どっかの新聞とかじゃなくて、本家広報なんだぜ。ようわからん。

さらに追記

 ネット上でいろいろ見るに、たとえば夕方になって報じる新聞もあったりしてさ。

広島は31日、河内貴哉投手と育成選手の山中達也投手に戦力外を通告したと発表した。27歳の河内は2000年にドラフト1位で入団。04年に8勝(9敗)を挙げたが、左肩の故障にも苦しみ、ここ2年間は登板機会がなかった。
(2009年10月31日18時12分 スポーツ報知)

http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20091031-OHT1T00168.htm

 あと、向こうの地元テレビでの報道もあったらしいが。育成枠様子見コースだから? みたいな噂もあるけど、まあ、まったくわからん。ともかく、なんだ、なんだろうね? いや、やっぱりあれだ、カープの公式サイト、これがよくない。ファンその他にとって、また本人にとってもかなりの重大事を一度アナウンスして、それを取り下げるってんなら、まずそれに対するコメントを発表すべきだろ。サイト担当側でようわからんのなら、「事実確認中です」でもいいからよ。たのむぜ、ほんと、っと。

翌々日追記

球団は回復後の復帰を期待し、年内にもあらためて育成選手として契約を結ぶ方針。

広島東洋カープのニュース | 中国新聞アルファ

07年入団の山中は育成選手として今季で3年がたった。来季も育成選手として契約する可能性があり、野球協約によりいったん、戦力外とした。

 ……と。このあたりの微妙な経緯があったということ。なのだけれども、しかし、いまだにカープ公式サイトは沈黙。表現が難しかろうが、なんらかのアナウンスは必要だと思うぜ。