おれも舞台の上で踊りたい

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おれもインターネットの片隅で文章やなにかを人様に晒しているのだから、多くの人に読まれたいという心はある。幾人かの人には知ってもらい、読んでもらっているのも確かだろう。ただ、おれも舞台の上で踊りたいという思いがくすぶっているのも確かなことだ。おれもインターネットの片隅で文章やなにかを人様に晒している以上、舞台の上で踊りたいのだ。

ただおれにはその舞台がどこにあるのかいまいちよくわからない。あるいはわからないふりをしている。そして、どういう資格のある人間が舞台にのぼれるのかいまいちよくわからない。あるいはわからないふりをしている。おれに舞台で踊れる能力があるのかいまいちよくわからない。あるいはわからないふりをしている。

おれもインターネットの片隅で文章やなにかを人様に晒しているのだから、舞台の上で踊りたいと思う。とはいえ、おれは舞台以外のところで踊りを踊っているのかどうかもよくわからない。これは本当によくわからない。踊っていて、踊るべき舞台を求めているのか、そもそも踊ってすらいないのかよくわからない。

おれも舞台の上で踊りたいと思う。そう思う心もある。しかし、そう思う心を阻害する心もある。わからないふりをしている心がある。後者の心はとても強い。心のなかにとても冷たいものがある。

それでもおれは踊っているふりをしていたい。おれも舞台の上で踊りたいという気持ちがあると思いたい。そう思うばかりで一向に踊り手としての力を伸ばそうとかいう気持ちにもなれない。冷たい心がそうさせる。それ以前に、それだけの才能というものを欠いているのかもしれない。

それを確かめる場はどこにあるのか。まさにここにあるのか、それともまた別のところにあるのか。おれにはよくわからない。あるいは、わからないふりをしている。おれは今日も踊っているふりをしている。どこかにある舞台のことを思いながら、踊っているふりをしている。