見えてしまった未来のつまらなさ

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OK Goが無重力空間でMVを撮ったそうである。おれはOK Goのことはこの前の日本で撮ったMVだけ知っているので、一般化しよう。ミュージシャンが無重力空間でMVを撮ったそうである。

ようやく、無重力がそのような形で使われ始めた。と、すると、おれは死ぬまでに無重力空間を、宇宙を味わうことはできないのであろう。そう確信する。その確信のつまらなさ。

夢を持て、無重力を目指せ、たとえおれがアラフォーでも! ……馬鹿を言うんじゃない。おれは一般的なサラリーマンでもない。貧困にあえぐ人間だ。おそらく、横浜市内から出ることも少ないし、神奈川県外に出ることはもっと少ないし、本州という島から出ることはないかもしれないし、海外などに行くことはまずありえないだろう。

ようやく、MVに凝るミュージシャンが無重力で(それもいろいろの条件付きで)MVを撮った。まだ、人類はその程度なのだ。

日本の貧困層でもなんとかすりゃ月には行ける。そんな時代に生まれたかった。ま、そう言ったところでどうにもなりゃしない。ほんの一握りの金持ちが無重力を体験できる。そのレベルの時代に生まれてきたので満足するか。それとも、もっと未知が多かった時代に生まれたかった? しかしそれにはさらなる野蛮と危険が同居している。結局、おれ程度の人間は、与えられた時代の下層を這うしかないのだ、重力に縛られながら……。

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