新年自転車乗りはじめ ― スポーツカーで満足の人間はレーシングカーを買うべきではない

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今日は映画館に行くつもりだった。午後二時半くらい始まりの映画だった。だが、それに合わせて早めのアラームを仕掛けたおれは、起きられなかった。

精神の停滞を感じる。この停滞は、大きな倦怠につながりかねない。それは双極性障害持ちのおれにとってたいそう悪いことだ。もう夕方、それでも動かなかければと思った。

動機を作った。「会社に、去年の熊手を取りに行こう」。これである。3日の日に初詣をする。そこで前年の熊手を処分する。3日の朝に会社に寄ってもいいけれど、今日取りに行こう。そこに活動がある。おれは前年の31日くらいから、肉体的な活動をほとんどしていなかった。

そこで、おれは「ロードバイクで行こう」と思った。もう、何ヶ月も乗っていないロードバイクで。こうでもなきゃ、乗る機会がない。そして、乗り続ける機会もない。新年、用事がある。この二点で、おれはロードバイクを引っ張り出すことにした。

おれの自転車世界は、DAHONの折りたたみから始まった。自転車面白いかもと思った。そして、GIANT ESCAPE R2(年度は忘れた)を買った。一日195kmくらい走れるようになった。その後がよくない。「もう、ロードを買ってもよいのではないか」と思ってしまった。そして、自分の身長(低い)から選択肢の余地すくないのを知って、いろいろ調べて、円高で安く買えるCOLNAGO ACEをイギリスから通販で買った。ロードバイクを通販で買うのは無謀だと覚えよ。

まあ、そんなんでロードバイクを手に入れた。フルカーボンのロードバイク。フルカーボンのロードバイクに乗ることができたら、死んでもいいくらいの気持ちだった。当然、それはよいものであった。が、おれには度が過ぎた。スポーツカーで満足の人間が、レーシングカーを買ってしまったようなものである。もちろん、これはおれの基準であって、人によってはクロスバイクが軽自動車で、ロードバイクがスポーツカーかもしれない。あるいは、ロードバイクの中でも軽自動車とスポーツカーがある、という人もいるかもしれない。しかし、おれにとっては、あるていど日常でも乗ることができるスポーツカーからレーシングカーにしてしまったなーという思いがある。気軽に、乗れなくなった。そしておれはハンドルを切り詰めたルイガノMV-1ばかりに乗るようになり、遠出もしなくなった。

これは肉体的にも精神的にもたいしたことのない人間の物言いだけれど、クロスバイクで充足感が得られた人間は、べつにロードにステップアップするばかりが道ではない。スポーツカーで満足な人間がレーシングカーに進まなくてもいい。ましてや、フォーミュラカーに。しかし、その見極めは難しいかもしれないのだけれど。

いずれにせよ、おれについては、もったいない話だと思う。なので、おれはCOLNAGO ACEで、いつかそこそこのロングライドをしたいと思っている。毎度200kmとは言わぬが、100kmくらいは週末にサクッと行く、そうなりたいと思っている。

とはいえ、おれはロードバイクから遠ざかりすぎた。まずは10km、20kmだ。というわけで、タイヤの空気を入れ直し、チェーンに油さして、1月2日、片道数キロの会社に行くことにしたのだ。

が、とりあえずギアチェンジの方法すら忘れていた。ガチャガチャやっているうちに、手袋の先端をシフトレバーに挟むむという失態を犯し、「どうすればいい?」とかなって、またガチャガチャしているうちに通常運転に戻ったりして、まあ情けないこと。会社で熊手を回収して、帰宅。もう、いろいろいっぱいいっぱいなので、普段小径車であっという間の順路を来て、帰って、終わりにしようと思った。

が、安アパートへの路地に入る前の道でシフトをいじっていて、「ああ、これだ」とか思って通り過ぎてしまった。通り過ぎたので、ちょっと帰り道は遠回りするかと、中村橋の方から間門、本牧通りとポタリングして、16~19kmくらい走ることになった(iPhoneアプリとサイコンの差)。

しかしまあ、情けない。巡航速度は遅いし、ギアを重めにすると負担だ。たぶん、ろくに坂道も登れないくらい脚力が落ちている。とはいえ、ちょっと楽しくはあった。冬は自転車にもってこいの季節だ。

いま、おれはダイエットをしていて、2ヶ月で4kgくらい落とした。スポーツ自転車に乗っても恥ずかしくはない体型になったと、自分では思っている。これから、毎週でもロードバイクに乗って、太ももの筋力でもつけようかと思う。思うが、おれももういい年齢であって、パワーアップは望めないかもしれない。それでも、クロスバイクでぎりぎり果たせなかった1日200km、これを成就しないことには、COLNAGO ACEに申し訳ないという思いもあり、まあ、ぼちぼちと走りたい所存。さて、いかに。