流れよ我が涙、と加勢大周は言った

 覚せい剤取締法違反と大麻取締法違反の罪に問われた俳優の加勢大周(本名川本伸博)被告(38)の初公判が10日、東京地裁(三村三緒裁判長)で開かれた。

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/12/11/06.html

 この件についての記事についていろいろ考えさせられるところがあった。

スゲー不良!加勢大周 高校生の頃から覚せい剤

 まず見出しだけれども「スゲー不良!」というのが、なんだかわからんが勢いがあっていい。でも、この事件を表すのに「スゲー不良!」始まりでいいのか、という疑念も抱かざるをえない。

加勢被告は高校生の時に初めて覚せい剤を使用。

 とはいえ、大麻でなく覚せい剤、高校生で。トレンディドラマ最盛期にも、やっていたかもしれない。これはもう、なんというか、スゲー。

 加勢被告は91年、独立した所属事務所と芸名の使用をめぐって訴訟に発展。後に「新加勢大周」(現大旗一生)が登場するなど“芸名騒動”に見舞われた。

 そして、加勢大周といえばこの話を避けるわけにはいかない。新加勢大周坂本一生現大旗一生(お経にしか見えない)の存在である。それをめぐる問題である。

「昔の話で済ませたかったが、撮影現場やインタビューなどで必ず言われた。その悩みや不安を相談する相手もいなかった」

 これだよ、これ。これが切ない。まわりとしては、そんなに深く馬鹿にするようなつもりもないだろうし、ある種「お約束」として話をふっているのかもしれない。そのあたり、あまり悪意はないだろう。ただ、それは受け取る側がどう思うかというのと別の話だ。ときに、ひどいいじめはこういう構図を取る。まあ、はっきり言って、こんな文章を垂れ流している俺も、いじめる側にまわっていることは自覚する。しかし、それでも、「自分は“新加勢大周問題”でしか語られぬ人間なのか」という、彼のアイデンティティ・クライシスについて何か言いたくなる。まわりからすると、ちょっと面白エピソードくらいの“新加勢大周”で人生が台無しになる、そんな話もある(いや、高校時代からやってたっていうのもあるけど)。もちろん、おちょくり半分になる。ひどい。でも、これは人間の悲喜劇だ。なんとも言えない。

今後は「農林水産系の仕事に携わりたい」

 だから、「あれ、自宅で農林系の仕事してたじゃん」などと突っ込むのも申し訳ないと思う。でも、「芽が出ちゃった」って、迂闊じゃねえのとか、そんな風にも思う。君が涙を流すなら、僕が新加勢大周になってやる、とか言うつもりもないし、なんか行き詰まってきたのでやめる。

関連______________________

 名前を検索したら、一件記述があった。“しかし、七話の加勢大周の雄姿はしっかり見た。”とある。いったい俺は何を見たのだっけ?

 時効警察2の公式サイトを見ると、まだちゃんと写真付きで紹介されていた。

 村の駐在(高泉淳子)から、理恵子がママさんバレーのコーチ・関口ミッシェル(加勢大周)と浮気していたとの情報を得た霧山は、後日ミッシェルのもとへ。

 ああ、なんかそうだ、そういう雄姿だった。悪かった。