ライデンリーダー死亡、安藤勝「忘れられん名馬」 - 予想王TV@SANSPO.COM
中央競馬の貸し服というと、決まって思い浮かぶのが白地に水色の斜線。それはライデンリーダーがそうだったからだ、と思う。思うだけで根拠はないし、調べればわかることだろうが、調べる気もない。ただ、おれにはそういう印象がある。
あのとき、ライデンリーダーは貸し服で中央に殴りこみをかけた。アンカツも殴りこみをかけた。おれはそれを信じた。すばらしい末脚だった。おれはオークスでライデンリーダーにぶち込んだ。競馬をあまり知らない父が「中央の騎手が好きなようにはさせないんじゃないのか」と言った。結果、馬券は紙くずになった。悔いはなかった。
メイセイオペラでもないし、トーシンブリザードでもない。あるいはコスモバルクでもないし、プレイアンドリアルでもない。おれにとって中央に挑む地方馬というと、ライデンリーダーを筆頭にあげなければならない。おれのベースはまず中央にあって、南関にあった。笠松は遠すぎた。安藤勝己の名も知らなかった。それでもおれにとって、ライデンリーダーの存在は大きかった。エイユーギャルよるずっと大きかった。今でもそれは変わらない。金がなくて馬券を買わなくなった、元競馬ファンになった今でも変わらない。
おれは、ライデンリーダーがいかにすばらしかったかを伝えたくて仕方がない。伝える義務があるとさえ思う。傲慢だ。しかし、ライデンリーダーの戦績を見返すと、それだけの説得力を持ちうるかどうか、おれの興奮を伝えられるかどうか不安になる。中央で四牝特をひとつ勝ったくらいじゃないか。そう言われると立つ瀬がないように思える。しかし、違うんだ。10戦10勝で迎えたあのレースは、本当に特別だった。そして勝った! そしてクラシック……言葉にできない、なにかがあったんだ。それは確かだ。確かにそうだったんだ。ちくしょうめ、うまく言えん。言えんが、地方からとんでもない馬が出てきた、その興奮たるや!
ああ、まったく、ライデンリーダーよ、あの末脚よ、今日の日はさらば!