プラスか? マイナスか? 上半期の馬券を振り返る

今週のお題「2019年上半期」

上半期の中央競馬の馬券成績を振り返りたいと思う。ちょうど6月の終わりの日に開催があったことだし、ここで虚心坦懐に馬券成績を振り返り、下半期に繋げたいというところである。

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まずは開催別から見よう。表はClub-JRA-Netの画面から。金額は恥ずかしいので隠す。

あー、競馬を知らない人はあまりこの記事を読んでいないと思うので必要ないかもしれないけど説明すると、回収率というのは100円賭けていくら戻ってきたか、みたいなものだ。100円賭けて100円帰ってきたら、回収率100%、100円が1,000円になったら1,000%だ。

と、そこで忘れないでもらいたいのが、胴元、つまりは日本中央競馬会の取り分だ。100円馬券を買うと、だいたいその時点で25%の税金をとられている、そんなふうに思って構わない。そして、みんなが賭けた、残りのだいたい75%を馬券購入者同士で奪い合うのが競馬というものだ。胴元は売った瞬間に儲けている。一方で、買った全員はとりあえず負けている。基本的に、買った瞬間に25%くらい負けているのが競馬なのだ。

そんな理論でもって、おれにとっての勝敗ラインは回収率75%なのである。取られた25%は一生懸命走るお馬さんたちのものだ、観戦料だ。……って、おそらく、多くの競馬ファンは「なんてチンケな!」、「なんて志のない!」、「なんて敗北主義的な!」という意見を抱くだろう。100%は超えて当たり前、むしろ、10,000%を目指さなくてなにが面白いのか? という人が多いだろう。

だが、待ってくれ。おれは貧乏なのである。貧乏人が、それでも競馬と付き合っていくには、コツコツ当て、コツコツコツ負ける、それしかないのである。おれは競馬で一発当てるよりも、競馬と長く付き合いたいのだ。「これが当たったら半年遊んで暮らせる」というような金額を一レースにぶち込んだりはしない。「今日のトータルでこれくらい浮いたから、安い宅配寿司でも取ろうか」で十分なのだ。本当に。いや、大穴にぶちこんで一発当てたりしたいですけどね。しかし、それをやり始めたら、おれの競馬、いや、おれの生活は破綻するのだ。だから、現状81%の回収率は上々なのだ。いやはや。

で、上の表だけれども、出足から良くない。とくに、2月くらいが悪い。だいたい2月とかそのあたり、年度末になると、仕事が忙しくて馬券どころじゃないのだ。それが、言い訳だ。

が、しかし、そのあとの東京開催あたりから持ち直しているように見えないか。おれには見える、おれの回収ラインは75%だ。そして、この数字、おれの実感にも合っている。登り調子だ、というところだ。

その前後でなにを変えたか? おれには思い当たるところが二つある。

一つは、亀谷敬正氏の「スマート出馬表」をしっかりと見るようになったことだ。

www.smartrc.jp

あ、言っておくけど、これは無料サイトだ。しかも、べつにアフィリエイトだのでおれが得するわけではない。ただ、単に、紹介したいからするだけだ。いや、亀谷敬正については同じようなこと毎回書いてるな。

で、この出馬表がなにかというと、血統に重点を置いた出馬表だ。まあ、父と母父の血統なら競馬新聞やスポーツ新聞の競馬欄にも書いてある。が、こちらは系統名も書いてある上に、色分けされていて見やすい。それに、そのコースについて、種牡馬ごとの出走成績、単勝回収率、複勝回収率がわかる。単純だが、これが馬鹿にならない。回収率が悪くても、やはり勝利数の多い種牡馬は馬鹿にできない。あと、自分が勝手に好成績を想像している種牡馬が来てなかったりしていて、思い込みを除去できる。

そして、それより何より、当日のレース結果がすぐに反映されて、同競馬場同距離、同競馬場芝・ダートの三着までの血統がひと目で分かるのだ。「昨日、今日はヴァイスリージェント系が来ているな」とか、「今日はヴィクトワールピサの日だ」とか、そんな大雑把な傾向だ。そして、その大雑把な傾向というのは、本当に馬鹿にならない。いや、血統というのは大雑把な傾向として押さえておけと、故・清水成駿も言っていたではないか。

『競馬無敵の「孫子流21攻略」』清水成駿 - 関内関外日記

 シンプル。つまり、格言的に覚えればいいんだ。「雨が降ったらこの産駒」とか、「時計勝負になったらコレ」といったように。

 血統は、こういった大雑把な認識でいい。すぐには役に立たないかもしれないが、積み重ねた認識は自分の血となり肉となる。インスピレーションは、何もないところからは浮かばない。浮かんでくるのは、こういった積み重ねがあるからなのだ。

そう、インスピレーション。「高速馬場だからダンチヒの出番」とか、「重馬場になったからサドラーズウェルズを探そう」とか、「少し雨が振りはじめて、稍重になるかならないかという馬場はディープインパクト産駒が得意」とか、そんなんだ。そんなインスピレーションの、大きな手がかりになるのだ、亀谷敬正のスマート出馬表は。しかも無料だ。もしいくらか有料になっても、おれは金を払うだろう(さすがに月一万円とかだと無理なんだけど)。

で、また競馬を知らない人を置き去りにしたわけだけど、競馬馬というのはお父さんとお母さんとそのお父さんとお母さん……がたった三頭の始祖まではっきりしているものなのです(え、サラ系は? ヒカルイマイは? とか余計なこと言わないで)。で、お母さんは一年に一頭しか子供を産めない(双子の馬とかいう例外はあるにせよ)わけで、年に百頭だの二百頭の子を残せるお父さんの性質を掴むのが大切なわけです。人間について、遺伝か育ちかという話もありますが、競馬では「競走をする」という単純な競争になるので、遺伝がわりとものを言います。それはもう、優劣が出ます。

その上で、長い距離を走るのが得意、短い距離を走るのが得意。あるいは、芝を走るのが得意、ダート(砂)を走るのが得意、という傾向も出ます。が、ときにそれが忘れられたりするので、わりと得な馬券を買うことができたりするわけです、はい。

もし、万が一興味でも持たれたら、教科書を読むのがいいでしょう。

勝ち馬がわかる血統の教科書

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 あと、手っ取り早く、という人はこんな本も。あ、オンラインで馬券を買うための手続きというのは、ほんとうにあっという間なので、普通にインターネットバンキングとか使ってる人ならすぐでしょう。

重賞ビーム 2019 (サラブレBOOK)

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……ハァハァ。で、二つ目だ。二つ目の話をする。おれは、『競馬の天才!』という月間競馬誌を書い始めた。コンビニでなんとなく目に入ったからだ。そのコンビニは、エロ系はもちろん、あまり上品でなさそうな雑誌を置かないセブン-イレブンだったから、目立ったのだ。

 

競馬の天才! Vol.9

競馬の天才! Vol.9

 

この本の、なんの連載がよい、とか、この必勝法付録がよかった、とかはあまり言えない。言えないけれど、なんとなく適当にネットで見ていた競馬界の現状のようなものが見えてきた。見えるといったら言いすぎかもしれないが、「あらためて眺めるとノーザンファーム一辺倒だよな」とかがわかるようになった。思えば、おれも高校のころは毎週「Gallop」を買っていたし、それなりになんとなく競馬のことが掴めていたように思う。今、月刊誌のこれを読んで、なんとなくまた掴めているような気がしているんだ。勘違いかもしれないけれど。

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えーと、次は、競馬場ごとの収支。おれは新潟競馬場と相性がいいようだ。一方で、小倉はひどすぎる。夏競馬で小倉はほとんど買わないようにしよう。地元関東の東京と中山は健闘している感じ。東京の購入レースが多いのは、おれがたんに東京競馬場が好きなだけ。西の本場二場も悪くはない。だが、中京で数字を落としている。買っている数自体少ないのだけれど、西のローカルは静観したほうがいいかもしれない。

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そんで、騎手。リーディングジョッキー川田将雅とは相性が悪くないので、このままお付き合いしていきたい。そして、ミルコ・デムーロ。これはひどすぎる。いや、今年のデムーロ自体あまり調子がいいわけじゃないけれど、それにしたって全国リーディング7位の騎手だ。そこから26%しか回収していない。おれがデムーロを買おうと思ったらやめるべきだし、あるいは「この馬は無視」と思ったとき、鞍上がデムーロだったら買うべきなのか?

一方で、福永。おれは福永祐一と相性が悪いと思っていたし、実際のところ彼の騎乗哲学(直線を向くまでのポジション取りが騎手の仕事で、あとは馬の力)はあまり好きではないのだけれど、わりと成績がいい。

で、また悪い方をみたら武豊武豊自身はエージェント(乗る馬を仲介する人)を変えてから好調、なのだけれど、おれはその波に乗れていない。個人的には、「豊おもしろいな」と思うと来ない、というイメージはある。これも考えよう。そして、今年好調組でいえば、三浦皇成との相性もよくない。石橋脩と田辺でも回収率にずいぶんな差がある。というか、石橋脩、田辺、津村、大野、丸山あたりの特徴がわかってない。

ダミアン・レーンとはわりといい結果を残せたし、感謝したい。そしてまた、おれの嫌いな(嫌いな、と言ってしまおう)横山典弘との馬券の相性は悪くない。内田博幸はわりと贔屓で買うのだが、そんなに勝たせてもらった印象のないわりには数字は出ている。あとはなんだ、松山弘平の馬券はもっと買ってみるべきだろう。

あとは、写ってないこの表の下の方でいくと、藤田菜七子は回収率ちょうど50%。騎手のせいで人気が「高い」場合と「低い」場合が出てくると思うので、そのあたりを見極めたい。あとは、回収率で派手な赤グラフになっているのは石川裕紀人丹内祐次菱田裕二、荻野極、斎藤新。個人的に好きなのは新人の斎藤新。さらに下の方を見ていくと太宰、武士沢、石神、小牧、さらに突き抜けて森一馬、嘉藤、熊沢などがいるが、これは単発レースで穴を獲った感じ。そして、「その他」で回収率250%でかなり金額も高いのだが、地方騎手だろうか、これは狙いようがない。柴田大知はわりと買っているのに回収率0%でこれは買うべきではない。

……って、騎手の話を長々としてしまったが、おれの馬券組み立てのベースは血統。その際、おれがとりあえず無視するのは騎手、厩舎、馬体重。「全馬が絶好調出てくる。騎手はミスをしない」というありえない前提で予想する。そこまでの要素、気にしていたらキリがない。が、やはり騎手は少し気にする。といっても、「この騎手だから本命」というのは避けている。むしろ、「こいつが乗るなら押さえておくか」というヒモ選択時の要素だ。騎手とは、そのくらいのものと思っておいたほうがいいかもしれない。でも、おれ、Twitterで急に「丹内愛してる!」とか叫ぶけれどね。

それと、馬券の買い方は基本、単勝+馬連。こうでなくては当たらない。三連単メーンでやってる人とかはすごいと思う。でもって、狙いのレンジは馬連で25倍台から50倍台くらいを厚めの本線にして、10倍台くらいの人気どころはトリガミ上等、行って来い上等、万馬券以上は来たら楽しいね、くらいに押さえる。あと、すごい人気薄だったら、ワイドで流す。そんで、なんも考えないで人気順に上から三頭くらい馬連も買う。そんなのもある。まあともかく、単勝馬連の一桁台に大枚ぶち込む度胸もないし、三連単で百万馬券を取るまで延々と負け続けられる資金もない、というところ。馬連で回していくのが生存戦略。あと、今後の課題として、よいボックスの買い方、というのも探求していきたい。

まあ、そんなところ。いや、しかし、かなりの人気薄でもなんか気になったら馬連100円くらい押さえるって姿勢は大切。スズカデヴィアス、買えたよ、なあ。高齢馬が斤量重めだけど、ベテランの走りで悪目の馬場を激走なんて、何回見てきたよ、なあ?

というわけで、競馬を知らない人には「なんのこっちゃ」、競馬を知っている人には「よくこんな恥を晒せるな」という記事でした。それでも競馬との戦いは続くのだ。

 

以上。