おれとファニー・ファニチャー・ニューヨーク、そしてクラック・ダラー・シルヴァー・アンド・ファンタジー

クラック・ダラー・シルヴァー・アンド・ファンタジーは薄汚いアパートのドアを乱暴に開けた。乱暴に閉めた。部屋の中でゴージャス・アンド・ルックルック・ステイ・アンド・ビルドに明け暮れていたおれとファニー・ファニチャー・ニューヨークは、なめらかなスウィング・ビートを平然と止めて、「ヨーボ、ミルキー・デイ」とフレンドリー挨拶を交わした。スウィーティーなロマン・コスモ調のエモ・エモ・アンド・シューゲイジング・ペンギン・カフェ・オーケストラ・ライクなハイテンションパル・ハイレゾ・ミュージックは流れっぱなしだった。

クラック・ダラー・シルヴァー・アンド・ファンタジーが言うところによれば(だいたいクラック・ダラー・シルヴァー・アンド・ファンタジーの言うことは.368くらいの打率でやっこさんの脳みそと冷たいやつの会話で成り立っていたのだけれど)、ブロックチェーン・ブラックチューンがヘイト・マッカーシーの頭をピース・アイアン・ピース・ブロックでホット・ヒットしたということだった。見ろ、フランツ、あいつの脳みそも灰色だった!

かつてはハイブロウ・アンド・ブロウジョブ・カーリンが、ミランダ・ファック・ナイト・ガーデンにパルスイート・アンド・アルファベットスープしたこともあったし、おれだってそのときは「オクタゴナル・オクタゴナル・マイト・アンド・パワー!」って叫んだものだった。

「おい、それはピースフルでピープルズだった。この意識と論理の街に、やっと指向性が戻ってくるんだ。わかるか?」

わかる。

それからおれたち三人は特殊な唐揚げで有名フェイマスなママ・ボート・パパ・ボート日の出町店に場を移すことにした。中古のビートル・ビシソワーズ・ビートル、水素水エンジンのブロー・オフ・バルブ音は心地よいノイズを都市に撒き散らしながら走った。大岡川は今日も空きチャンネルのモニタ・カラー・アンド・ライトを飽き足らずにうつしていた。「ホテル・拾番館! 麺屋・清星!」。おれたちは昔から伝わるハード・ヒットなマジック・ワードを連呼した。

「ピープルズのヴァイオレンスはハーモニーなんだ。意識はM100+Y100、発色はいいけど、キッズに見せられたもんじゃない。要はフランシス・ゴルトンの亡霊を純度の高い水素水でラッキー・ハラショーするムーヴメントが必要だってことだ。見てみろ、このモツ煮はアフター・ルイセンコ、しかし、そっちのキュウリ、花椒まみれのキュウリは、まだエジョフの時代にいるってことだ」

クラック・ダラー・シルヴァー・アンド・ファンタジーはハイ・アンド・ロー・アンド・ハイ・オブ・ハイ酎をガブガブ君ライクに飲みながら、まくしたてた。おれとファニー・ファニチャー・ニューヨークは、テーブルの下で指を絡ませて、ライド・オン・タイム・ファイン・フィンガー・ファックを続けていた。それは刹那であって、永遠でもあった。

「だから、この地上ってのは思い出なんだ。だれの思い出か? それは、おれたちが銀河の西に行ったときにわかるんだ!」

クラック・ダラー・シルヴァー・アンド・ファンタジーは、キュウリをくわえながら立ち上がってチャンピオンシップ宣言をした。おれたちは飽き飽きしていた。あれにも、これにも、どんなことにも。地球が回ることさえカンパイでストップさせたかった。

扉が開いた。そこにはジャッキー・ジョック・イン・カテドラル・ファイバー・ボーイが、なぜかずぶ濡れになりながら立っていた。

「おい、お前ら、こんなところで何してんだ。今晩、ストゥディウムでベース・ベース・アンド・ハイ・コンテキスト・アンド・ロー・ギア・ベース・アンド・ベース・アンド・ベース・アンド・ホーム・ボール・ゲームが始まるんだ。おれは、江戸川リバー沿いを自転車で走りながら、その気配をハイ・アンド・ハイ・ネオ・トーキョー・スカイツリーの明かりを見てわかったんだ。おれはそれからおれのフロント・コルナゴ・リア・ジャイアントを必死に漕いでここまで来たんだ。マスト・ダーイ、さあ、行くぞ、おれたちの、ベイ・アンド・ポート・アンド・ベイ・オブ・ベイブリッジ・ベイス・アンド・ヴァイッド・ボーザム・フロム・ブラントーム・ボール・パーク・マスター・ベイ・ギャラクシー・アンド・ミルキーウェイ・スター・スター・アンド・スター・トワイライト・シティ・ライツ・アンド・セクシー・ミュージック・セレモニー・アンド・プレイ・アンド・リアル・コンテンツ・オブ・ベイスターズの試合を見るんだ」

おれたち四人はカール・カルロス・カーペンターズ・関内に向かって歩いた。道中、パチョレック・アンド・ポンセ像に十字を切った。遠藤はいつでもエースで、欠端はリスペクトの対象だった。

ふと振り返ると都市は輝いていた。いつだって都市は輝いている。ピッチャーがボールを投げる、バッターはバットを振る。そこにいつだって真実はあったんだ。おれたちは野犬の死骸を踏みつけながら、カクテル光線の指すストゥディウムに向かった。アッパー・ドラック・ドローンからアンダー射程で見たら、それはまるで、オエイシスを目指すキャラバンのようだろうと思った。

都市はいつも輝いて、音楽はおれたちを陽気にさせた。あとは一杯のビール、そしてチップスがあればいい。せめて今夜くらいは。

 

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