クラウス・キンスキーは打ちひしがれる様が絵になる 〜『コブラ・ヴェルデ』を観る

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 クラウス・キンスキー&ヴェルナー・ヘルツォークの3本目。ブラジルあたりのならず者が、プランテーション主みたいなのに目をつけられて雇われたら、娘を3人とも孕ませてアフリカ送りに。それで行ってみれば完全な島流しみたいなもんで、気づいたら簀巻きにされたりして殺されそうになったりして……。
 「別の世界」を希求するコブラ・ヴェルデ。靴も信じないから裸足のコブラ・ヴェルデ。でも、最後には打ちひしがれるんだよ。それで、イケイケな感じのクラウス・キンスキーの、その姿がなんとも言えんのよ。ああ、このおっさんは打ちひしがれる様が絵になるんだなぁ、みたいな。アマゾネス軍団の訓練して怒鳴りまくってるより、最後のさあ、船を出そうとして出せない、波に飲まれて転がる、向こうから悪夢のように異形の不具者がやってくる……。
 話としては、なんというのか、なんということもない。このなんということもない、流されていく感じは、『アギーレ』のイカダの流れるが如しでもあり……。すごいドラマ、複雑なドラマが起こるかというと、あんまり起こらんといっていい。でも、なにかしら魅せるのは怪優のせいか、それとも……人海戦術といっていいほどの黒人(奴隷)か。今でも同じもの撮れるのか? みたいな気にすらなる、なにか。海岸線にずらっと並ばせて、旗振らせてさ。
 まあ、そんなところだ。そんなところで、次はどうしようかなっと。

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