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オールスターキャストで、幕末・明治・大正・昭和四代に起こった様々な暗殺を描き、オムニバス映画として製作された。
おれは映画のこともよう知らんし、日本映画の歴史もしらん。この映画が撮影されころ生まれてもいなかったので空気も知らん。ただ、おれですら知ってるような名前が並ぶオールスターキャストでこんな映画を作ってたとかよう知らなんだ。いや、まじアナーキーすぎ。
『二百三高地』ならまだわかるよ。一応は日本が勝ったことになってる日露戦争だ。一方で、乃木希典の悲哀、兵士の悲惨だ。
でも、これはどうだ。朝日平吾(菅原文太!)が安田善次郎を殺り、ギロチン社の古田大次郎が『死の懺悔』の朗読とともに刑場に向かい、高倉健の相沢三郎が永田鉄山を斬り……。なんとこのごろの俺得映画! それにしても、古田大次郎がこうも映像化されていたとは。
と、中心となるのは血盟団・小沼正なんだけれども(まあそこんところで若干眠くなるんだけど)、まあともかくこのテロルの連鎖に右も左もない、というところがいい。安重根は入ってなかったが。そんでまあ、鈴木邦男じゃないが、右と左のテロルの呼応みたいなね。それで、井上日召がむしろ若いやつらに引っ張られるようにして、なんて、森田必勝と三島由紀夫か、みたいなね。というか、まあ大杉栄の場合は敵討ち的だったにせよ、北一輝も二・二六を引っ張ったわけじゃあない。若くて、貧しい奴らがね。だからこの映画も、北の名前は出るが、メーンは磯部浅一なんだよ、獄中日記なんだよ。
あとさ、もう、だれの台詞だったか忘れたが、「われわれのテロじゃない、おれのテロなんだ」ってさ、そこんところもバシッと言い切ってさ。群れるなよ、っつーか。それで一人一殺で、てめえも死ななきゃいけねえっつーか。しびれるねえ。
それにしたって、旧日本軍のあの銃殺方法の手のこんだことときたら。いや、実際ああだったのか知らんが、なにかべつの作品で最近も見たような気がするけどね、銃固定してさ、まあ実際どうだったかしらんけどさ。
資本家や権力者は自らを守る法を持っている……だよな。菊のご紋と天皇陛下万歳の皮肉。いやはや。
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