シギズムンド・クルジジャノフスキイ『未来の回想』を読む

未来の回想

未来の回想

 今、どんな小説が流行っているのかよくしらないが、そんなものに構わずにシギズムンド・クルジジャノフスキイ読むほうが面白くないか? なにせ、シギズムンド・クルジジャノフスキイだぜ、という理由で手にとった。こういうのを厨二病とでもいうのかもしれない。
 本書は1929年ころに書かれたタイム・マシンもののSFである。ただし、60年もの間、日の目を見ることはなかった。ソヴェート・ロシアの検閲に通らぬ作品を密かに書くことを「引き出しのなかに書く」というらしいが、本作もそうであった。とはいえ、すっごく反共的というわけでもないので。
 それで、短めでわりとわかりやすい設定だったりするのだけれど、なにか読むのに骨が折れた。というか、眠気を催した。やけに眠くなる。なにかこう、なんというのだろうか、SFというより『類推の山』でも読んでるような? 革命や戦争、そんなものが主人公の夢をくじこうとするとか、そういうのはわかりやすいっちゃーそうなんだけれども、なんだろうね。ロッシアー的ななにかが引っかかるのかね。やけに細かい描写、言葉遊び、迷い道に入ったみたいな……。だてにシギズムンド・クルジジャノフスキイの作品じゃねえな、と思わせる。ほかに二作ほど訳されているらしいが、読むかどうかは不明。以上。

>゜))彡>゜))彡>゜))彡

……これは現代作家。

……ピリニャークの名前がちらっと出てきた。