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30年代のスターリンの大粛清をテーマに、激動の時代に引き裂かれた男女の悲劇を描いたドラマ。1936年。ロシア革命の英雄・コトフ大佐の妻・マルーシャの下を昔の恋人・ドミトリが訪れるが、彼にはある目的があり…。
『戦火のナージャ』という映画が気になったが、前作のようなものがあると知って借りて見た。ときは1936年。同志スターリン、同志エジョフによる大粛清のさなか(たぶん)。その当時のロシアの、あるいていど恵まれた階層であるところの同志コトフといくぶん風変わりな人々の1日が描かれている。おれはといえばラヴレンチー・パーヴロヴィチの本など読んで、数字でしか、あるいは大物の逮捕劇くらいしか知らんかったなーっと思ったしだい。
それにしても、このドミトリというやつは、いかにもロシア的な人物像やなーと。いかにもロシア的というよりは、ロシアの小説に出てきそうなやつというか。いや、言うほどロッシーア!の小説読んでねえけど。なんだろう、このニヒリズムというのか、なんというのか。ソヴェートが彼をそのようにしてしまったのか。スターリンがそうさせてしまったのか。
スターリンがエジョフにそうさせてしまったのか。同志コトフ。地元の英雄。少年団(少年団が『航空行進曲』を演奏しながら更新するシーンがあった。むろん、すばらしいストライクウィッチーズのCDでサーニャがカバーしたやつだ)の制服の胸に顔が縫い付けられているほど。スターリンとのツーショット写真。まあ、ここまで書けばだいたいわかろう。大粛清がどのような人々を粛清し、その結果フィンランド相手にどんな戦争をはめになったかも言うまでもないだろう。同志コトフが制服に着替える途中で酒を飲んで、あの写真を見るシーン……!
とはいえ、「大粛清をテーマ」とはいっても、映画の多くのシーンはいかにも日常的ですらあって。ただ、それを包み込むソヴェートの、その時代。そんな中でも少女は美しく、あどけなく、無邪気で、ねえ。
まあいい、ともかく次は『戦火のナージャ』や。そんじゃ。
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