【悲報】おれ、寝坊して遅刻した

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思わず、普段は使うことのない住み着きパーレン……誰だ、パーレン。おれの部屋に住み着いているのか? まあいい、ともかく、おれは、今日、寝坊して、遅刻した。

ショックだった。

遅刻、はどうでもいい。普段から5〜15分平気で遅れる。ノタノタ自転車漕いで、道端にボケの花が咲いていれば立ち止まってボケっと眺め、オオスカシバが花の間を飛び回っているのを見れば無心に追いかけ帰ってこない。そんな調子だ。

脳の調子が悪い朝、もある。iPhoneのアラームで目は覚める。しかし、体がほとんど動かない。そういうときは会社にLINEで報告を入れる。1時間遅れます。そして二度寝する。

そうだ、今回の問題は、「寝坊」なのである。今朝は珍しくスッと目覚めた。久方ぶりの自然な目覚めだと思った。なかなかに気持ちいい目覚めだったといっていい。寝るのに超短期型睡眠薬を使い、口には睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースを装着し、眠りに背かれているおれのことである。今日は眠りと仲良くなれた、という感じがした。

が、問題は時刻だった。いったい、今は何曜日の何時なのだ? iPhoneを見る。とうに始業時間を過ぎている。曜日は金曜日だ。なんなんだ、これは? パニックになった。そうだ、おれは時間にルーズなルーザー(so why don't you kill me?)だが、寝坊というのは……した覚えがない。上に書いたように、行けないときは行けないと予告する。それもせずに1時間以上寝てしまう……。

わけがわからん。おれは枕元のiPhoneで目覚めることにしている。音楽と一緒に振動すらする。振動で目が覚める。覚めなかった試しはない。それがどうだ、今日は? なにか設定が変わっていた? 確認するが、きちんとオンになっている。おれはiPhoneのアラームを徹底的に無視したか、無自覚のうちにキルしたのだ。

後者であるとしたらおそろしい。おれにはその記憶の断片すらない。記憶にあるのは見ていた夢だ。清原和博がテレビに出ていた。バラエティかなにかのいち打席対決のようだ。ピッチャーは何者かわからぬが、投球練習でものすごいスライダーを投げていた。清原はあえなく三振する。しかし、よくわからないが、なにかの記録を達成したときのように、女の人が現れて花束が贈呈される。清原は引退したのに、なにか三振記録を更新するなんてことあるのだろうか? なんのセレモニーだ? というか、「この番組は何月何日に収録したものです」というテロップはいらないのか? そんなことを考えていた。

話を戻す。ともかくおれは寝坊をした。子供の頃から振り返ってみても(……まあ、親元にいるときは親が起こすだろうが)、寝坊の記憶というものはほとんどないのだ。一人暮らしになっても、こういう寝坊はなかった。まったくの寝過ごしだ。冗談じゃない。いや、そういいたいのは会社だろうが、知った話か。

しかし、考えられる可能性としては、薬の副作用による健忘、薬剤性健忘というやつだ。おれはそのような事態を引き起こす薬を何種類か飲んでいる。これはよくない。またアラームを勝手に切って、スヤスヤ二度寝するかもしれない。おれはおれの意志で遅刻するのはいいが、無意識で遅刻するのは大いに嫌だ。よかわからぬが、そういう性分なのだ。とはいえ、薬は手放せない。群馬に行きそうな勢いである。

あとはなんだろう、あるいは住み着いているパーレン氏が、勝手にiPhoneをいじったという可能性もある。が、おれはパーレン氏に家賃を分担してもらっているわけでもないし、そもそも話をしたことも、姿を見たこともない。それはそれで問題である。パーレン氏について知っている人がいたら、おれに電波で伝えてほしい。では。