約15年ぶりに買った週刊少年ジャンプについて

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約20年……は言いすぎか、それでも約15年ぶりに週刊少年ジャンプ(以下、週刊少年を略す)を買った。いや、「読んだ」と言えるかもしれない。夜逃げ、一家離散。おれにはジャンプを買う余裕どころか、立ち読みでジャンプを読む余裕すらなかった。きっぱりと、そこでジャンプ、そしてマガジン、サンデーとも縁を切った。単行本で読む作品もあったけれども、週刊漫画誌とは完全に縁が切れた。モーニングとも、月刊ではあるけどアフタヌーンとも切れた。おれはかなり漫画を読む方の人間だったと思うが、すっぱり切れてしまった。

初めて買ってもらったジャンプのことは覚えている。表紙が『県立海高校野球部員山下たろーくん』だったことを覚えている。小学校3年生だったと思う。そこからおれのジャンプが始まり、いわゆるジャンプの黄金期もはじまった。マクラーレン・ホンダのノーズにカタカナでジャンプの4文字、そんな時代(おれは中継の贔屓が嫌でマクラーレン嫌いだったけどな)。

して、話はこのエントリーの頭に戻る。15年か20年かぶりにジャンプを買ったのだ。理由はなにか。言うまでもないだろう、『こち亀』が終わるからである。

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もちろん、今号で終わると勘違いしたわけではない。なにかこう、なんとも言えないが、最終回の号だけ買うのも申し訳ない、というような気持ちになった。それと同時に、最終回をひかえた『こち亀』がどうなのか、というのも気になった。なにせ、おれがジャンプを離れたときから今まで続いているのは『こち亀』と『ONE PIECE』と『HUNTER X HUNTER』だけだからな(あとの二者とも今号休載だったが)。

して、『こち亀』はおれの知っている『こち亀』だった。あまりに平常運転という気がした。おそらくは100巻以降の動向はよく知らないが、こんな感じだったっけな、というより、こんな感じだったな、という感じ。

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とはいえ、舞台は寿司屋。寿司屋が出てきたとき、おれはまだ『こち亀』を読んでいた。正直、あまりおもしろいとは思わなかった。おもしろくない、というより、むしろ、秋本治はもう『こち亀』を描きたくない、というか、別のものを描きたがっているんじゃないかと思ったものだった。それがなんともモヤッとした気持ちにつながった。そんなところである。

こち亀』に転換期はあったのか。もうそれは半分以上知らないおれにはよくわからない。わからないが、「両さんがパソコンを理解する」ところは、ひとつの節目だったように思う。最初は野球のルールすら知らなかったんだぜ(まあそれはそれで不自然ではあるが)。でも、そこについて行ったところに、長寿の秘訣があったのかもしれないが。そしてまた、長寿のための長寿ではなかったんだぜ、と思いたいのは、やはり『こち亀』を全巻持っていることで「オタク」呼ばわりされたおれの贔屓目だろうか。

そしてジャンプ。これである。価格は260円。もう、自分がいくら出してジャンプを買っていたか覚えていない。ただ、9月26日特大号で、特別価格というから、ふだんはまた違うのかもしれない。

特大号。どう特大か。よくわからないが、持って、開いてみてまず感じたのが、「ジャンプってこんなに分厚かったっけ?」である。昔のアフタヌーンほどでないにせよ、厚いな、と思った。特大号だからどうか、わからない。

もう一つ感じたこと。「こんなに印刷荒かったっけ」。これである。漫画というと単行本の白い紙ばかりの人間の感想というと、こんなものである。とはいえ、漫画家が「雑誌の紙に印刷されるときのことを考えてコントラストを……」とかどっかで語っていた(佐藤秀峰かな?)こともあるし、これが漫画の晴れ舞台なのである。きれいな紙で読みたければ単行本を買え、ということだ。

あと、細かいところではカラーページ多いなとか、まあ特大号だからかもしれないが。そういえば、おれが買っていたころのジャンプは巻頭に(グラビア)アイドルの写真などを載せない方針だったが、なぜか安達祐実が登場したという衝撃があったように思う。安達祐実はいま何歳だろう。古い話だ。

というわけで、一通り読んでみたが、やはり連載の途中からというのはわけがわからない。アニメ化して知っている『食戟のソーマ』(最近あんまりアニメの話をしていないというか、アニメを観ていないが、これは毎週すぐに観ている)と『ハイキュー!!』はいくらかわかるが、ほかは本当に知らない。昔の、おれの知っているジャンプと比べて、どれが『ドラゴンボール』のポジションで、どれが『ジョジョ』のポジションなのか、そういうのは想像がつかない。ただ、『こち亀』は『こち亀』のポジションなのだろう。そして、それでも、今の若い読者には今がジャンプの黄金期なのだと信じる。来週、いや、今度は土曜日17日発売か。おっさんはもう一度ジャンプを買うよ。『こち亀』の終わりを見届けさせてくれ。おしまい。

 

※ちなみにこのエントリー、Wikipediaあたりで調べればはっきりしそうなことがいくつかあると思うが、思い出のままに書いた。不正確なことあれば寛恕願う。

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さらば、わが青春の『少年ジャンプ』 (幻冬舎文庫)

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