石川町午前二時

 雨の中歩く俺の先に小さな何かが横たわっていたので、俺は小さな生き物の亡きがらかと思って目を凝らすと、誰かの折り畳み傘の袋であった。俺は小さな生き物の亡きがらと同じくらい悲しいものだと思った。