2024年 オークス回顧 やはり田原成貴が応援するとよくないのでは?

2024年5月19日付け東京スポーツ紙より

 

おれは「予想家のあいつが本命にしたから消しだな」というような馬券の買い方はしない。そういう話は競馬にまつわる「逆神」話としていくらでも盛り上がればいいと思うが、自分の予想と「逆神」が重なったところで、自分の予想を引っ込めるつもりはないぞ、という意味だ。だいたい、みんなそんなに馬券当てているのか。「逆神」なんているのか?

 

……と、いいつつ、おれのなかで一つ「これは逆神ではないか?」と思わせる予想が一つある。けっこう前にも書いたと思うが、東スポの田原成貴である。「田原の予想が当たらないの?」というと、そうではない。ただ、ある条件を満たすと、「かなり来ないんじゃないの?」という疑惑である。

 

その疑惑とはなにか? 田原成貴が鞍上を応援する文章を書くときだ。「本当はまだまだやれるんだ!」、「馬乗りの技術は確かだ!」、「絶対に上手く乗れると信じている!」……なんか松岡修造のような熱さ(暑さ?)でたまに鞍上を応援する。鞍上不安視のときはもちろん、ちょっと足りなさそうな馬をカバーしてくれ、というときもある。いずれにせよ、馬へのラブレターなどの「怪文書」ではなく、ジョッキーを応援するとき、これがあぶない。……ような気がする。

で、今週である。

田原成貴の本命はガチガチの本命であるステレンボッシュであった。レベルの高い桜花賞馬だ。しかも、血統的に距離伸びたオークスでさらによしと思われていた馬だ。もしも、鞍上が前走と同じモレイラなのであれば、単勝は1倍台もあったんじゃないかろうか。ただ、モレイラはブラジルに用事があって帰ってしまった。

 

そこで代役が戸崎圭太ということになる。戸崎はトップジョッキーの一人だ。ただ、一番人気を飛ばす、というような印象がないわけでもない。田原自身のコラムによれば、中央G1で7回1番人気の馬に乗っているが、勝ったのはストレイトガールだけ。ちなみにG1は12勝している。口の悪い人は「戸詐欺」なんて言ったりもする。

 

おれはそこまで戸崎を悪いジョッキーとは思っていない。というか、大井競馬でデビューしたときから見ているのだ。自然と応援したくなるくらいだ。が、しかし、「ここぞで落とすのでは?」という思いがないわけではない。もちろん、「落としたなら仕方ない」と思えるジョッキーがだれかといえば、ルメールくらいしかいねえんじゃねえかという話ではあるが。

 

オークス(G1) 結果・払戻 | 2024年5月19日 東京11R レース情報(JRA) - netkeiba

 

で、結果をお伝えします。1着ルメール、2着戸崎。黄金の◎でも魔界は飛び越えられなかったね……。いや、戸崎になにかミスがあったようには見えない。むしろ、「詰まるのでは?」というようなインを突いて見事に伸びた。それ以上に、外からチェルヴィニアが伸びた。ルメールすげえな、という話になってしまった。いやはや。

 

いや、馬もすごいんだけどね。桜花賞は13着。これがなんとオークス2番人気。「状態がよくなった」という情報は出回っていたが、みんな競馬うまいよな。

 

あ、おれの本命の話していなかった。3着のライトバック。桜花賞でも本命だった。7番人気だった。それが3着して世間にばれたと思ったら、オークスもそこまで人気がない。これは稼ぎどころだと買いまくったんだが……。現状では力の差があるか。坂井瑠星がひどい乗り方をしたというわけでもない。

 

というわけで、土日で反吐が出るほど負けた。ただ、反吐が出るほど負けるような遊びをできるのも今のうちなので、おれはやれるうちはやる。この生活をつづけて、だめになったときはすっぱりだめになる。緊縮なんてするつもりはねえよ。

 

来週はダービーだ。戸崎はまた1番人気の馬に乗るだろう。そしておれはまた坂井瑠星の乗る馬を本命にするだろう。なに? シンエンペラーはもう勝負がついている? 雨でも降らなければ? 知った話か。ひょっとしたら、「リベンジの馬だ、戸崎君」と田原成貴が援護射撃をしてくれるかもしれないじゃないか。