2023年 有馬記念回顧 優雅な一年の終わりに

有馬記念の本命が決まらないおれは旅に出た。

 

くもりぞら、寒い、はずが、歩いたら少し、あたたかい。

 

どこまで行くのか。

 

馬の博物館。歩いてすぐそこ。

馬の博物館

来年の一月末から「しばらくの間休館」するという。無期限だ。最後に一回行っておこうかと思った。フィナーレ展。「厩図屏風」とか、このあいだの「やまと絵展」にも似たのがあったけれど、あっちのほうが鮮やかだったな、とか、ロートレックの《騎手》はジョッキーカメラ視点だな、とか、横尾忠則持ってんだな、とか、おれも横尾忠則の日本ダービーのポスター持ってるな、とか思った。あと、手塚治虫の生原稿と、『優駿たちの蹄跡』の生原稿(もちろんトウショウファルコとマイネルキッツの回)があったりした。うむ、文化的だ。馬の骨格とかもある。馬の視界は350°、これも体験できる。なるほど、ブリンカーの効果よな……。

 

 

で、馬のTシャツを買って、出る。

 

外に出たら晴れていた。神様、仏様、シンザン様、おれに有馬記念の一着馬を、できれば二着、なんなら三着馬をおしえてください……。

 

トキノミノル様……。

 

トウショウファルコ、ここに眠る。トウショウファルコも有馬記念の勝ち馬を教えてはくれない。ポニーセンターの方へ行く。馬を見て馬のパワーを得よう……と、思ったら、一時半から開場だった。四十分も待てないので帰る。ちなみに、マイネルキッツとマイネルネオスがいたのだが、いまはいない。いまは根岸にサラブレッドはいないようだ。

 

して帰り道、ペットボトルのブラックコーヒーを飲みながら歩いていたら、頭がギンギンにきまってきた。まあ、近所に根岸競馬場があるというのも競馬好きとしては悪くない。なかなかに優雅な散歩じゃないか。優雅? 優雅……、しょうが……、将雅! よし、本命はソールオリエンスにしよう、と思った。

 

というか、本当に本命決めかねていた。単勝人気一桁馬のどれを選ぶべきか。一長一短というか、決め手に欠ける。スルーセブンシーズ本命にしようと思っていたが、枠順が悪い。まったく白紙になった。もうどっからいっていいかわからない。そんな感じで、減点が少なそうなジャスティンパレスが一番人気になったのではないか。

 

うーん、もうどれから行ってもいいや、みたいになって、そんでソールオリエンス。キタサンブラック産駒の超大物が去ったあとに、おなじキタサンブラック産駒が勝って来年につながる。悪くない。しかし、ソールオリエンスはコーナリングがよくない。よくないけど、まあなんだかんだで着順は安定しているし、最内だからなんかふくれる余裕もなく、川田もやることあんまりなく、なんか直線爆発してくれないかな、と。爆発力ならあるはずだ。川田が長距離苦手とかもういいだろう。今年は川田かルメールだ。今回は川田でいく。

 

で、馬券は今年の負けを取り返すべく三十五万円の払い戻しがあるような三連単とか何通りか買って、馬連も買って。というか、いざ馬券買おうとすると、「買う馬いねえな」ってなった。そんでも、やっぱり有馬記念当てたいので、いろいろ買い足して……八枠決着とかタイトルホルダーの逃げ切りとか。

 

あと、ちょっと楽しみに買ったのがシャフリヤールのワイド。香港除外からの中山調整が不利と思われてか、人気がなさすぎる。小回りどうかという話もあるが、BCターフはかなりの小回り特殊コースで0.2差三着。状態さえよければどうにか。

 

で、レース。アイアンバローズは行けず、タイトルホルダーが堂々の先頭。オーナーサイドからの指示もあったろう、全盛期を思わせる逃げ。これは怖い。だけど、全盛期ではないのだよな。で、二番手がこれ、大外からスターズオンアース、ルメールが取りよる。中盤かちょい後ろからと思っていた。それをスルーセブンシーズがマークするような形を想像していた田原成貴に乗ってそう考えていた。あー、やばいなーと思った。

 

で、ソールオリエンスは後ろの方から。極端な位置は取らない。さあどうか。三角から四角、上がってこない。タイトルホルダーにまだリードはある……が、ドウデュースが抜群の手応えで伸びてくる。スターズオンアースも粘る。三頭の勝負。おれはもう馬券の目がなくて呆然となる。

有馬記念(G1) 結果・払戻 | 2023年12月24日 中山11R レース情報(JRA) - netkeiba.com

 

勝ったのはドウデュース。前にも書いたがおれはドウデュースを二歳のころから評価して「いなくて」、今回もちょっと軽視していた。いやはや。スターズオンアースも大外厳しいと思ったし、タイトルホルダーもピークを過ぎていてどうかと、まあ、ぜんぜんやね。ソールオリエンスもぜんぜんやね。やっぱりラチを気にしていたみたいだし。爆発力がなかった。同じ三歳のタスティエーラも先行してからの自在性みたいなの見せる場面もなく。スルーセブンシーズも見せ場なかったな。シャフリヤールは五着健闘。うーん。

 

というわけで、年間回収率100%に戻す戦いに負けて、キープしていた目標回収率の75%も下回ってしまったかもしれない。

 

しかし、しかし、最終がある。が、阪神のジングルベル賞は本命のマチカゼが伸びず負け。じゃあ、中山のフェアウェルステークスしかない。こういうところを勝つのが戸崎ではないのか? ヘニーヒューズ産駒のウラカワノキセキ。前走大負けしているが、それをノーカウントにすれば安定している。人気サイドではあるが、穴馬連れてきてくれないか。あと、三連単頭固定なら……と、購入。が、その後、相手に買っていた穴馬のグットディールが気になって買い足し。逃げ馬が有利そうな展開だけど、ホリー・ドイルの剛腕が無理やりなんとかしそうな気がして。

フェアウェルS(3勝クラス) 結果・払戻 | 2023年12月24日 中山12R レース情報(JRA) - netkeiba.com

そしてたら、ウラカワノキセキが来ないで、グットディールが二着。想定で万馬券。まあ、最後を万馬券でしめられたら、土日トータル負けだけどいいか。

と、思ったら9990円とかいう万馬券に10円足りない的中。まあ、当たらないよりよかったか。

 

あー、というわけで、と、言いたいところだけど、ホープフルステークスあるんだよな。やっぱりなんか、こう、なんか、違うんだよな。有馬の日で終わりなのがいいんだよな。まあ、そう思っているファンも多いのだろうけど、そう思わないファンも増えてきているのかもしれない。でも、なんかな、やっぱり。有馬記念のあとは東京大賞典でいいじゃないか。な。