くるりの「感覚は道標」発売記念ツアー「ハードにキマる!つやなし無造作ハッピージェル」に行った。こういうツアータイトル名はかなりいい加減な感じがするが、ライブハウスのアナウンスの人のことなど考えているのだろうか。考えていないだろうな、電気グルーヴとか。電気グルーヴ関係ないか。
というわけで、寒い冬の夜お台場に行った。それほど早い番号ではなかったけれど、ロッカーや物販でだらだらしながらも、わりと前列のよい場所を取れた。一緒に行った女の人には内緒だけれど、おれはもうばっちりすごくナイスな位置にあって、岸田さんも松本さんも膝より上、ギターもなにもばっちり見えた。こんなにナイスな位置は今までなかったなと思った。
おれは「ギター・マガジン」を読んだあとだったので、「あ、青色のやつに変えた」とか、「最後は黒いやつだ」とか思ったのだが、女の人に貸していて手元にないので型番とかは書けない。
くるり目的で『ギター・マガジン』買ったら、なに書いてあるかわからなすぎて笑った - 関内関外日記
して、このツアーなんだが、いちばんの話題といえば『感覚は道標』に参加した元オリジナル・メンバーの森信行の参加ということになるだろうか。デビュー時ころからのくるりのファンにとっては特別なものだろうと思う。
が、おれがくるりを聴きはじめたのは「ワールズエンド・スーパーノヴァ」からであって、初期のくるりは知らないのである。ライブに行き始めてからも、森信行ドラムは聴いたことがなかった。
で、今回、森信行ドラムを初めて生で聴くことになった。ライブの最初は『感覚は道標』の曲からだった。森さんのドラムは、顔の表情と一緒で感情豊かというか、ドゥーン、ドゥーンと響いてくる感じだった。
ほか、サポートメンバーはいつもの松本大輝、野崎泰弘、それにコーラスに加藤哉子。一緒に行った女の人は加藤哉子さんがすごくうまかったねって言ってた。
で、そのあと、ドラムがクリフ・アーモンドに代わった。もう、それで、いきなりなんかバンドが変わったようになるのな。クリフのドラムはライブで何度か生で聴いた。岸田さん曰く「重戦車」のドラム。ドンドン来る。ああ、これ、クリフさんのドラムやって思った。最近は石若駿さんのドラムで聴くことが多かったが、それともぜんぜん違うのな。いや、パワーあるわ。マッチョやわ。
そんで、セトリといえば、マニアックといっていい。イントロを聴いて、「これや」みたいなのが少なくて、それでもハードなロックで固めてきた。ぜんぜんバラードなんかやらん。でもね、でもね、なんかいけそうでいけない曲ばかりという感じもあって、へんな寸止め感があったのも確か。完全にノリノリの曲やらんのよ。そういうこともやるのよな。正直、「地下鉄」とかわからんかった。おれの影響でくるりを聴くようになった女の人は、初期の曲が好きでよく聴いているが、おれはよう知らん感じもあった。
でもって、なんかドラムよりもギターなロックの選曲やなとか思った。「ギター・マガジン」に目を通したあとだったからかもしれない。すごくギターさばきが見える立ち居位置だったからかもしれない。そんな感じ。
しかし、なんだろうか、森さんカムバックというより、クリフさんカムバックという選曲だったろうか。『NIKKI』から「お祭りわっしょい」、「冬の亡霊」、「虹色の天使」。あれ、『NIKKI』ってクリフ脱退後のアルバムだったか。でも。しかしなんだ、「Super Star」とか「Baby I love You」とか「Birth Day」とかシングル的曲やらんのよな。おれはやってほしかったが。
でも、「How to Go」でしめて、それはよかった。「How to Go」もおれのなかではいけそうでいけない曲（性的な意味で）みたいなイメージのある曲だけど、これはよかった。
で、そのあと、アンコール。アンコールで森さんとクリフのダブルドラムス。こんなのは聴いたことがない。最後は「ロックンロール」で、ギターでがんがん攻めたこのライブの締めにはいい。
で、その後に物販コーナー。これはくるりのライブでも見どころで、佐藤さんのアドリブ歌唱がやはり面白い。しかし、最後の最後に物販コーナー？ と、思ったら、そのあとがあった。岸田、佐藤、森による三人によるライブ。その二曲が全部持ってった感じすらある。もちろん、おれはオリジナルメンバーを知らないファンだが、なんか特別な感じがした。たった二曲だけど、これやられたら、古くからのファンはたまらんだろうな、と思った。おれもなにか感じ入るところがあった。みごとな展開だと思った。
というわけで、2023年はくるりのライブで終わった。よい感じだった。来年もくるりのライブに行くだろう。人生の数少ない楽しみだ。
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せまい横浜ベイホールのライブに比べて、ZeppDiverCityは「よそ行き」という感じもした。
