くるりライブツアー2023 in横浜ベイホール 8/23

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くるり「愛の太陽EP」発売記念ライブハウスツアー2023の横浜公演が5月に行われるはずであった。しかし、岸田さんが「山籠りの修行」に入ったため8月の終わりに延期になっていたのである。


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箱は横浜ベイホール。横浜の、ベイにある。山下公園の近くのでかいドンキのあるあたりを本牧の方へちょっと行って海側の埋め立て地にいくとある。


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あるのはいいが、行きにくい。「え、元町・中華街駅から徒歩15分くらいでしょ?」。いや、おれは仕事場のある関内駅近くから行かなければならない。ちょうどよい具合のバスがない。電車も通ってない。歩くしかないだろ? え、タクシーなら7分? Google mapがそう言ってる? 知るか。貧乏人は歩くのだ。


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して、本当に周り倉庫ばかりの(となりmont-bellだったけど)埋め立て地的なところにそのライブハウスはあった。産業道路みたいなトラックばかり走ってる道に、急に人がぞろぞろと歩いている。変な光景だ。おれが自転車でこの辺りなどを走っていたとき、この横断歩道に出会したらさぞかし奇妙な気分になっただろう。


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はい、横浜ベイホール。古いライブハウスと調べて知っていたが、そのようだ。場内に邪魔な柱が2本あるというのもGoogleのレビューで知っていた。現代人はあらかじめなんでも知っているのだ。

しかし、どの場所で観るかはその場の判断だ。われわれが選んだのは柱と柱の間にある中央部ではなく、柱の外、端っこの方である。入場順の関係で中央は後方まで埋まっていた。ならばステージに近いサイドを攻める。

とはいえサイドにも難点はある。エアコンとデカいサーキュレーター3台が風をブンブン送っていて、寒いくらいなのである。おまけに目の前にスピーカーがあるので音もデカいだろう。


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さて、最初にメモしておきたいことがある。現在の水洗トイレが大で一回に流す水の量は4.8リットルほどだという。昔は10リットルも当たり前だった。そこに節水を謳って登場したのがLIXILの前身(といっていいのかな)であるINAXが伊奈製陶時代に開発したカスカディーナ。6リットルで流せるというこのトイレ、画期的ではあったが、やはり当時の技術の問題もあって流す力は今の節水トイレには及ばない。

そんなレトロなトイレが横浜ベイホールの楽屋にあるのを、20年前に来たとき岸田繁は気づいた。が、今もあった。写真に撮ったという。

これを、今日は覚えて帰って下さいと言われたので、メモする。ちなみに、カスカディーナは修理や交換が面倒な規格だとい余計な知識をあとから知った。あとあと、客用トイレも古く、思わず空いている個室トイレを見てみたが、なんと、まあ、本当に……あまり書きたくないので書かないでおく。

 

そんな話はともかく。今日はどんなメンバーで、どんな曲をやるのだろう。5月からの延期で、秋のニューアルバムの発売決定など最初の構想とは違うのではないか。……とか思っていたけど、このツアーの最後は8月の東京だったので、3ヶ月まるまるというのとはちょっと違った。

 

今日のメンバーは岸田繁、佐藤征史、石若駿、松本大樹、野崎泰弘。ここのところの固定メンバーだ。さて、なんの曲からやるのか。「愛の太陽」のなにかから始まるのかと思ったら、「LV30」から始まって、次に「LV40LV45」だ。こんなん予想不可能。

追記_____________________

うわー、岸田さんから言及された! (修正しました)

ちなみに言及いただいたのは二度目やでー。

goldhead.hatenablog.com

_____________________追記

で「ワールズエンド・スーパーノヴァ」から「蟹」で盛り上がる。岸田さんはなんか奇妙な踊りをしたり、なんか小さな太鼓みたいなの叩いたりご機嫌な感じ。いや、不機嫌なのをみたことないけど。

そのあとのMCだったかなんだか。まあトイレの話をした。その次のMCでも話は弾む。「このままMCを続けたほうがいい人と、次の曲やってくれという人どっちが多い?」と客席に拍手でアンサーを求めると、ほとんどイーブン。そこで、音楽に乗りながらトークという即興プレイ。これがすこぶる面白い。そこから発展して「存在しない曲」が始まりそうにすらなった。もちろん、ライブでしか聴けない音というものもあるが、こういうのはさらに貴重な現場ならではの体験に思える。おれはMCに拍手した一人だ。

さらにMCですごかったのが、アンコール前の物販コーナー。ここで岸田さんがキーボードで適当な曲を流すのだが、佐藤さんが美声で歌い上げて紹介するのだ。岸田さんが「すげえなあ」とか言っていたが、ロックンローラーというのはそういう才能があるものだ、たぶん。

 

しかしまあ、今日は岸田さんの調子がノリノリだった。正直、音響的にはよいとは言えないかもしれないし(自分のいた場所の関係もあるだろうが)、後半とかボーカルの音が割れたりしていたんだけど……でも、そういうのもいいよな。なんかもう、ライブだよなという。「Morning Paper」で変な合唱がはじまったり、そういうのよな。

新曲の「In Your Life」も「California coconuts」も聴けたし。それに、「八月は僕の名前」、「真夏日」、「愛の太陽」の三曲も生で聴くのは初めてだし、あらためて聞き込みたくなったな。おれはこの三曲では「愛の太陽」が一番好きかな。

「つらいことばかり」、「スラヴ」、「ホームラン」はライブで聴くのは初めてかもしれない。シャバダバダ。ホームランで思い出したけど、岸田さんが「今、そこでやってる」と言っていた横浜スタジアムのカープ戦。先制していたと言っていたが、いくら勝っても阪神が強すぎるという意見には同意すぎる。あと、ベイスターズでは牧が好きと言っていたので、「野球2」という曲が出たら戸柱の代わりに入るかもしれない。

で、おれがこの日一番の盛り上がりと感じたのは「Liberty & Gravity」こんなにすごい勢いのこの曲を聴いたのは初めてかもしれない。みんなハンドクラップしてさ。もう終わり方とかまで全部かっこよくて、これは奇妙だけどいい曲だなってあらためて思ったな。

で、この曲の終わりに佐藤さんが「若い頃だったら今の曲で『くるりでしたー』って言って終わってた」みたいなこと言ってたけど、ベテランはここからも強い。「ハイウェイ」、「ワンダーフォーゲル」、「ばらの花」、「虹」、そして必殺の(おれにとっては)「ロックンロール」と、ある意味でスタメン曲で畳み掛ける。これにて本編はおしまい。

で、先の物販MCを挟んで、「もうお腹いっぱいの人もいるかもしれんけど、もうちょっと」と言って始めた曲が「Tokyo OP」。デザートでかつ丼が出てきたようなボリュームじゃないかと思った。いいぞ、もっとやれ……。

というわけで、ライブ終了は9時半近く。最後は写真を撮っておしまい。

この集合写真の柱の外側の方に、広角で歪んだおれの顔が3/4くらい写っているので探してください。

 

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というわけで、なんかもう大満足なライブだった。よい日だった。ひさびさに爆音を浴びて、石若さんのドラムの手さばきとかもよく見えて、なんだ、とにかくよかったな。

 

で、帰りはどうしたかというと、元町・中華街駅前のサイゼでも行こうかという話になったがもう閉まってて、解散となった。おれはもちろん歩いて帰った。なんかえらく歩いたし、ライブ中も動いていたし、なんかもう足が筋肉痛になった。ここのところ疾患のほうの問題で朝起きられなかった日が続いたが、翌朝は気持ちよく起きられるかもしれない! と、思った。

(結局、起きられなくてまた半休した)