2023年 宝塚記念回顧 イクイノックスは強かった

2023年6月25日付け東京スポーツ紙より

宝塚記念。非根幹距離の一戦。荒れることもある。ここが初G1タイトルになる馬も少なくない。特殊なコースゆえのこと。

でも、今年は別格なのが一頭いた。イクイノックスだ。G1三連勝中。それも東京、中山、ドバイ。関西遠征は初といえども、美浦の坂路工事のため栗東滞在。そもそもドバイに行って勝っている。特殊コースとはいえ、特殊な中山の2500m有馬記念を勝っている。死角はあるのか?

 

ない、と思った。

 

だからといって、イクイノックスの単勝に全額をぶち込むのか?

 

それも、ない。

 

そんな太いカネはないし、度胸もない。競馬にはなにがあるかわからない。とすれば、どうするのか? イクイノックスのいないところで馬券を買えばいい。どういうことか? ワイド馬券だ。「イクイノックス絡みはぜんぜんつかないなー」と思っている人は、ワイド馬券を見てみればよかった。適当な穴馬を見つけて、オッズ見てみると、そこには沃野が広がっている。

 

言い過ぎか。

 

で、おれはブレークアップから買うことにした。ワイドを。もちろん、イクイノックス相手ではそんなにおいしくない。しかし、それ以外はけっこうついてくれるのだ。これしかない。ちなみにブレークアップを選んだのは非サンデー血統、母父クロフネ、非根幹距離の重賞勝ち、鞍上は川田、など。

 

とはいえ、イクイノックスから三連単でブレークアップ絡んだら美味しいよな、ということで、イクイノックスからフォーメーションで軽く三連単など買った。他場の馬券を早く買ったため、なんかポツポツと買い足しつつ、レース。

 

ユニコーンライオンが逃げる。そういう想定。だが、ユニコーンライオンが逃げられるのか? とも思っていた。場合によってはハナを切れないのでは? とか思っていたが、やはりユニコーンライオンが引っ張った。

そしてドゥラエレーデ。ドゥラエレーデも怖い馬で、ホープフルステークスを人気薄で勝ってからUAEダービー挑戦、その後日本ダービーでスタート直後の落馬という、ちょっとわけのわからない馬。父ドゥラメンテ、母父オルフェーヴルという字面からも只者ではない感はある。が、思っていたより人気していたので、おれは軽視した。

で、それにブレークアップが位置を取りに行く。先行だ。今の阪神は先行有利だというので、これはいいんじゃないかと思った。

一方、イクイノックスはといえば、前走逃げたのに、今回は後ろに控えた。後ろも後ろだ。中段ではなく、ほぼ最後方。これも思ったより後ろかなというジャスティンパレスを見る形。で、ジャスティンパレスが少し動いても、少し動いただけでピッタリ後ろをマークする。ほぼ最後方。これ、鞍上がルメールでなくデムーロであったら、まくりを打つんじゃないかというところ。ここでじっとしているのがルメールなんよな。

 

で、直線、イクイノックスは大外を選択。というか、それしか選択肢はない。ぐんぐん伸びてくる。でも、大外すぎるのでは……? と、思ったら、しっかり伸びてきて差し切った。格が違う。ディープインパクトかお前は。というか、そのクラスの馬になりつつある。秋、どこに行くのかわからんけど、この秋全勝したら「歴代最強馬」クラスに名を連ねることだろう。そのためには東京2400mのG1勝ちが欲しいと思うので、ジャパンカップしかないが。それにしても、いろんな競馬場、いろんな位置取り、この自在さはなんなのか。底知れないところがある。これがキタサンブラックの子で、母父キングヘイローというところも面白い。

 

おれのワイド本命ブレークアップはいつの間にか沈んでいた。が、スルーセブンシーズがきわどい二着。さすが池添。で、細江純子がなんか最後に押していたので、最後の最後にスルーセブンシーズからイクイノックスとジャスティンパレスへのワイド二点を買っていたのだ(ブレークアップからスルーセブンシーズは買っていた)。これでトントンとはいかないが、わりと損害を抑えることができた。三連複(万が一イクイノックスが飛んだときのための五頭ボックス)もとっておきたかったが、スルーセブンシーズまで攻められなかった。

 

この土日は土曜最悪も日曜は最終レースまで苦闘してなんとかチョイ負けくらいのレベルに。メイショウチタンとか頑張ってくれた。ただ、メイショウチタンが頭だったら勝ちだったのだが、まあいい。

 

これで、なんというか中央競馬の前半戦一区切りということになる。トータルでどうか。負けているに決まっているだろう。でも、おれは競馬をやるのである。夏競馬で穴を拾うのだ。やってやる。