ブラウン管からのメモ

NHKで「米軍がグアンタナモ収容所を公開」という話題。その中で米兵が細いチューブを見せて曰く「ハンガーストライキをする囚人に鼻から栄養摂取させる。一番長いのは420日経過しているが、健康面は良好だ」。これにはたまげた。ハンガーストライキで口から物が食えないならば、鼻から入れればいいじゃない、というわけか。しかし、命を捨てて抗議しようと断食して以来、420日生き続けて健康になっている人間は、何を思っているのだろう。それはそうと、日本の刑務所物など読んでも、ハンストがかなり効果的というが、「鼻から入れる」というのは思いつかないよな。アメリカ人にはかなわない、そう思った。

●宣教師の白人がインタビューを受けていた。現代日本にやってきた宣教師だ。布教はなかなかうまくいかず、一万枚ビラを配っても、来たのは数人だとかなんとか。長年やっても信者は多くない。もちろん、それでもめげずにやっているという話なのだけれど、「やっぱり日本で布教は難しいよな」と思ったしだい。なにかこう、もっと文明未開の地とか、あるいは別の異教が圧倒的に強い国の方が、やりがいや手応えがありそうだと。日本で布教しようとしたら、迫害されたり止められたりはしないだろうし、一から説明せずとも、「ああ、イエスさんね」とある程度はわかってくれるだろう。ただし、それって向こうからしたら暖簾に腕押しみたいな感じなんじゃないかな、と。西洋文明を武器に蒙を開こうにももう開けている方だし、相手の神を論破しようにも、多くの場合はその神自体が曖昧だ。下手したら、キリスト教の部分の方がその曖昧さの中に引き込まれる。殉教の恐怖もないが、布教は難しい。ある意味、宣教師泣かせなのが、今の日本なのではないかと。「今の日本」に限定しなきゃいけないのは、かつては弾圧の対象だった時代もあったわけで、現代的な無宗教状態を日本人のアニミズム傾向として、昔から変わらぬ性格とは決していえないだろうということ。むしろ、日本は長く確固とした日本仏教の国で、自然崇拝をもとする神道をも習合してきた。八百万の神は仏教に組み入れられてきたので、今一度「(日本)仏教ベースの国」という視点もあり得るだろうか。

●※今回の企画にあまり期待しないでください。最後まで特に何も起こりません。……というガキの使いのテロップはよかった。たまにはテロップも面白い。しかし、メンバーの着ていたカモは本当に枯れ葉になじんでいたな。本当は砂漠なんだろうけど、自然界のなんらかのパターンに適合しているのだろう。大の大人、というか、兵隊が命託すものの一つだしな。村上ショージの空回りっぷりは芸術。普通は一瞬振られて発揮させるところを「特に何も」起こらせずに長回ししてしまうのは、この番組ならではの贅沢さか。