『太田裕美 ベスト・オブ・ベスト』太田裕美

[rakuten:allcd:10003737:image:small]
 椎名林檎のカバー、「木綿のハンカチーフ」のカバー(id:goldhead:20070214#p1)を聴き、こんどは太田裕美が気になった。伊勢佐木町の道の真ん中、ワゴンでCDやDVDを売っているなかで見つけて、買った。新品千五百円。
 結論からいうと、「木綿のハンカチーフ」については椎名林檎のアレンジの方が好きでした。あの、ちゃん、ちゃらん、ちゃん、ちゃちゃん(察せよ)の繰り返しフレーズとか好きだわ。もちろん、太田裕美バージョンだって言うまでもなくすてき。それと「星のダイヤも」の「星の」のところと、「あなたのキス」の「キス」のところ発音って、椎名さんかなり忠実に再現していたのかな、とか。
 それはそうと、「さらばシベリア鉄道」のよさはどうしよう。このベスト盤の九割は松本隆筒美京平タッグで構成されているのだけれど、これは大瀧詠一作曲。大瀧詠一、いつか行かねばと思っていたが、やはり行かねばならんと思いあらたに。しかしまあ、この曲のかっこよさは突出している。何かに対してでなしに、まあそれ自体が、だ。もうとにかくプシューってさ。「不意に」の伸び具合なんて、もう、日本歌謡史上に残る「不意に」でしょ。なんだかわからんが。でもなんだ、こう、「シベリアかよ!」って突っ込みたくなるスケール感もいいよ。やっぱり押さえなきゃ。

http://www11.plala.or.jp/fumin-column/song2004/song27.html
 こちらによると、もとは大瀧詠一がオリジナルなのか。そうか、一曲の中で女パート、男パートとあるのは、コール&レスポンスというのか。

 しかし、いいな、昭和の歌謡。貧しさの先にも希望があるし、別れのあとに帰るべき故郷もある。今われわれ、貧しさの先に貧しさあって、帰るべき故郷なく、歌うべき歌がない、労働者のための詩がない、のか。