夢の対決! 槇原敬之vs松本零士

槇原敬之さんと松本零士さん、法廷で初対決 「約束の場所」歌詞盗用訴訟

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080707-00000959-san-soci

 あらためて見てみると、「槇原敬之松本零士が対決」というのは、ありえないような組み合わせだ。自動生成文で出てきた珍文のようだ。しかし、彼らが約束の場所(法廷)で相見えたのは銀河的に見ても事実だ。しかし、いったいこの件、いつから始まったのだ?

 うへえ、2006年10月の話だ。ずっと水面下で交渉していたのかどうか、ともかく出るとこ出て片を付けたいという夢は時間を裏切らなかったわけだ。そして、これだけ時が経っても俺の言いたいことは変わらない。

ただ、この件、槇原側の過剰反応がいたずらに事態を悪い方へ向かわせているように思える。ちょっと調べれば、世界の松本が似たフレーズを使っていたことは確認できる。相手は電波系の自称作詞家などではなく(銀河系かもしれないが)、創作の世界では先人なのだ。意図した盗作なら問題外だが、人づてやどこかで目にしたものの再構成だったり、あるいは本当にまったくの偶然であっても、「似てしまいました。すみませんでした」と素直に詫びを入れればよかったんじゃないのだろうか。その上で、「松本先生のお考えに通じるところがあるようです」などと言って、ダフトパンクみたいにコラボの一つでもすりゃあよかったんだ。

 でもやっぱり、槇原にもプライドってもんがあるからな、と。それで、どうにも年寄りと若者の感情の行き違いによるものに見えて(槇原が盗作していないとして)、どうにもせっかくファンも多い表現者二人が無駄なことをしているように見えてならない。
 あと、前に俺、歌詞のフレーズの意味がわからんと書いたものだけれど、これについてこんな記事も。

 淡々とした表情で「夢は時間〜」の歌詞について「仏教の『因果応報』の教えからです」と訴えた。「自分が(覚せい剤で)事件を起こして以来、仏教を学ぶようになって。『LOTUS IN THE DIRT』の『泥沼に咲くハスの花』の詩は『南無妙法蓮華経』からです。『世界に一つだけの花』は『天上天下唯我独尊』からきました」と話した

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20080708-381095.html

 い、因果応報とは想像だにしなかった。俺もぜんぜん仏教の勉強が足りない。いや、勉強したところでアーティストのイマジネーションを解することなどできようか。しかし、槇原さんも仏教を学んだのならば、松本さんへの憤怒は地獄と知るべきだ。白隠と武士の話だ。いや、あえて修羅を取るのも芸術の業か。なんだかわからんが、まあ法廷も表現の場と思えば、野次馬は楽しもうか。