みなとみらいのスポーツオーソリティに、自転車の一ヶ月点検に行った。行って、出てきたのはベテラン店員だった。いや、ベテランというより、けっこうお年を召している、なんというか、「こだわりの自転車オヤジ」のような人だった。というか、俺は自転車屋さんのことはよう知らんが、まあそう思った。
それで、なんだかこっちとしては、先生に課題を提出した生徒のような心持ちになったわけ。「注油の加減は大丈夫かな？」、「油汚れはウエスで拭いてきたぜ」、「タイヤの空気圧もオッケーのはず」、「ハンドルぶった切ったの怒られたらどうしよう」……などなど。
で、先生、サイクルコンピュータに目をつけるや、「どのくらい乗ったの？」と。それでピピっと出せば、180kmくらい。即座に、「2,500kmペースだね」と。たぶん、年間の目安？ かな？ 「まだ遠くに行けてないんです」と俺。先生、ピッとボタンおして、「危ないねぇ！」。何かと思えば最高時速45.9km/h。「坂道？」と先生。「あ、危ないですか。いや、近所、坂ばっかりなもんで……」とびくびくもの。反省します。でも、ハンドル切ったこととステムの高さ調整したことについてはほめられた。
それでもって、ブレーキワイヤーのゆるみ調整や、ギアの微調整など。ブレーキの簡単な調整法も、目の前で実演、解説してもらいながらだと、はっきり仕組みがわかる。勉強になる。なんか自転車教室みたい。
で、なんか、チェーンの角度がちょっとおかしくなっているようだ。「お客さん、いじってないって言ってるけど、なんか触ってない？」と。うーん、たしかにそのネジ、《なんで妙に二本出てるんだ？》と思った覚えがあるけれど、うっかり回したっけな……「いや、そんなむずかしいところ、わかんないから触ってないです」と、俺。どうもそのネジ二本で微妙なチェーンとガード（？）の距離を調節するもののよう。上から見てよくわかった。それと、フロントギアがつっかかることについては、「あんまりいいものではないから」という直球説明があったが、やはりグルグル回してもらってチェーンが跳ねるさまなど見ると、どういうことが起こるのかよくわかる。フロントの方は、落ちついて、ゆっくりぐいと押し込まなきゃだめね。
あと、空気圧。ぐいと指でおして「合格、ご自分で入れてるの？」と。「ええ、こちらでポンプ買って」と俺。「何気圧？」というので、「120……」というと、入れすぎかもしれないと。入れなさすぎよりはいいけれど、100でもいいとか。あと、2009年版からは100だか90だかのスペックのものになったとのことで、ちょっとグレードが落ちてるんだとか（あと、さっきから100とか120とか、単位わかってねえから、俺）。で、このR2についても、「取り寄せたんですか？ 6万円くらい？」と聞かれたので「来たらあったんです。型落ちで47,000円でした」などとありのまま言うと、「それは得をしましたね」などということで、得したような気になった。実際、売値よりさらにカードとセールで15%割引になっているので、あの日の買い物は大正解だったといっていいだろう。
で、タイヤのなんかバリみたいなのを指して、「いい自転車ですから、もっと乗ってくださいよ」と。ええ、慣れてきたらそのつもりで……。と、こっからじいさんのワールドがはじまった。
「精神的な疲れは、肉体的な疲れでいやすっていうけどね……」（桜玉吉の漫画のシュベール標語にあったナ）
「土日が休みなら、土曜の朝、朝日の出るころに出発して、70km、70km走れば……」（この非体育会系にそれは無理！）
「日曜日の午前は音楽でも聴いて、午後、ゆっくりと体をほぐしにポタリングに出るんですよ。ヨーロッパでは、道がいいから、70歳のおじいさんでもそうしている。土曜日遠出するのはドロップハンドルので、日曜の午後はこういうクロスバイクみたいのを使う。そういうのをサンデー・アフタヌーンという……」（日曜も乗るのかよ！）
「ポタリングの意味はご存じですか？ もともとはアフリカの言葉で、ウシがね、宮古島の牛車が行くようにね……」（宮古島の牛車出てきたよ、やっぱり玉吉か？）
「専門店なんかは自転車をたくさん並べて安く売ってるだけで、そういう文化を知らないから……」（熱入ってきたよ）
「自分の中で自転車は三番目の趣味で、ひとつ目が油絵で、ふたつ目は写真、写真には○○○万、自転車には○○○○万かけた……」（すげえな）
「絵も依頼を受けて描いていてね……」（実は俺の話が終わるの待ってた人がいて、それが依頼申込みの人、だったようだ）
「私は自転車で世界一周してるからね……」（世界！ おやっさん、あなたいったい何者や？）
……などなどなど。俺は俺で、「へーすごいー、おじさま（はぁと）」ってきらきらのもてふわカール光線出して、いったいどんな話が飛び出すのかおもしろがっていたりして（ほぼ三十男が出さないように）。いや、ほんとうに面白かったね。俺、自転車のことようしらんからね。ともかく圧倒されようと思って、圧倒されておいた。どちらかというと、そういうタイプ。
でもって、最後書類にサインして……と、その間にも、常連客の自転車通みたいな人と「コルナゴのフェラーリのは……」「あれはねえ……」みたいな会話。うーん、なんかわからんが、俺にとってはディープに聞こえる。なんかいいじゃないの。ようわからんが、
意外に自転車自転車してる売り場じゃねえの、その名のとおりバイクオーソリティって感じじゃねえの、とか思ったのでした。おしまい。
関連＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
追記＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
みなとみらいのスポーツオーソリティのおじさんは、話は長いですが、いろいろ教えてくれるいい人です♪
http://oshiete1.watch.impress.co.jp/qa3534240.html?ans_count_asc=2
おじさんいわく『ESCAPE R3を神奈川で一番売っているお店』だそうです。
20 ：ツール・ド・名無しさん：2008/09/10(水) 09:16:53 ID:???
http://72.14.235.132/search?q=cache:oJuNx4rUJLgJ:www.23ch.info/test/read.cgi/bicycle/1220862191/+2ch+%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%80%80%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%A8%E3%81%BF%E3%82%89%E3%81%84%E3%80%80%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E3%80%80%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91%E3%81%AE%E8%87%AA%E8%BB%A2%E8%BB%8A%E4%BA%8B%E6%83%85&hl=ja&ct=clnk&cd=2&gl=jp
前スレで載っていたみなとみらいのオーソリティー行ってきたよ
おっちゃんが感じの人が初心者だろうお客に
すごく熱くヨーロッパの自転車事情を語っていたｗ
他のオーソリティーとは確かに違う感じだった
……実は、最初の最初にこれらの書き込みは見ていた。まさにその光景だったろう、昨日の俺は。
