ダービーにみそ汁がいらないたった一つの理由

2009年5月29日付け日刊スポーツ一面より引用

 そして当日。競馬場の調整ルームの朝食にも変化が……。いつもは食卓に並ぶみそ汁がない。なぜだと思いますか? 実は「ミソがつく」から、という寮母さんの思いやり。ダービーは周囲の人にとっても特別なのです。

 日刊スポーツを買う。一面に大西直宏の見解と手記。上に引用した「当日」は当然、サニーブライアンのダービーの日。その日、大西直宏は、みそ汁なしの朝食を食って、日本ダービーに勝ったんだ。そうか、あの日、大西は、朝、みそ汁抜いてたんだ。いつもだったら、腹におさまってるみそ汁分なしで、ダービーのゴール板を通り抜けていったんだな。俺は知らなかったよ。でも、ともかく、サニーブライアンのダービーは、俺にとっても、最高のダービーだった。配当的には皐月賞の方がでかかったけど、俺の、最高の、ダービーだった。
 ああ、そうだ、俺は、今日と、明日と、明後日と、みそ汁をとるのをやめよう。みそ田楽とか、ねぎみそ焼きとか、そのあたりも避けよう。ミソがついたらいけないからだ。ああ、そういえば、俺は昨日、ウンがついたんだった、あれはいい傾向だ。吉兆だ。そうだ、カツを食おう、アタリメを食おう。なぜなら、ダービーだから。ダービーは、特別なのです。ヴェルタース・オリジナルだって食べるんです。白鳥たちはそう、見えないとこでバタ足するんです。馬券おやじもそう、見えないところでゲンを担ぐんです……!