2009日本ダービー回顧

 

俺とアントニオバローズについて

 俺は、わりと早い段階からアントニオバローズ本命を決めていた。5月28日? 違うな、もうちょっと前だ。プリンシパルステークス? それも違うな。その時点で「アントニオバローズはダービーでも買いたい馬だっただけに、三連単頭から勝負したんだけれども」とか書いているものな。

 そのヒシミラクルの鞍上といえば角田晃一なんだけれども、俺は角田が好きだ。俺の競馬史の最初期にフジキセキがいたということもあるけれど、やはりなんというか、その大舞台での強さというか、大舞台だけの強さというか、そこらあたりがかっこよく映る。もちろん、それゆえのダービージョッキーだ。そんなジョッキーにはまた、そのまたもあると信じる。だから、アントニオバローズの鞍上が角田であるかぎり、そこには相当の注意を払わねばならんと、そう思っている。

最後まで大好きな競馬の話で一人盛り上がっていた - 関内関外日記(跡地)

 まあ、ほぼこの時点で、だな。俺はもう、なんというか、ほとんどアントニオバローズがダービーを勝つとしか思えなくなっていたのよ、レース前。それが、その、「G1ごとにこれだけぶっ込んでいたら、生活が成り立たない」というレベルの馬券につながって、結局、やっぱり俺はそんなに買わない方がいい、という結果に結びつくだけの話なんだけれども。
 うーん、でも、勝てないかぁ。勝てると思ったな。もう、四角まわって、外からな。あの、内外でな、武豊横山典弘が内と最内をついてな。あの、ちょっとの差が、まあ二着を分けたとは思うが、しかし。いや、一瞬、先頭に躍り出たよな。角田な。「見ろよ! これが角田だろうが!」って思ったよ。すごかったな。まったく、ちくしょう。

3着 アントニオバローズ 角田晃一騎手
「重から稍重ぐらいでやりたかったですね。マイルで勝っていますが、実際には長い距離がいい馬。怖がりで前に馬を置きたいが、条件戦だと行ってしまう。GIだと前に馬を置けるのでレースがしやすかったですね。ようやく走れる状態まで来て、これからもっと良くなる馬ですよ。夏を越したら、アントニオバローズはもっと強くなります」

【日本ダービー】(東京)~ロジユニヴァースと横山典騎手が悲願のダービー制覇! | 競馬実況web | ラジオNIKKEI

 夏を越したら、アントニオバローズはもっと強くなります。よし、そう信じているさ。菊花賞ジャパンカップ有馬記念ぶっこ抜いてくれよ。

ロジユニヴァースリーチザクラウンについて

 この二頭については、アントニオバローズとの馬連は押さえていた。というか、俺の最近の本命馬三着率というのは驚異的だ。だったら、ワイドや三連複、複勝勝負がかしこいのだろうけど、俺は馬鹿だから……。
 で、それはそうとこの二頭の巻き返し。俺が馬連を押さえたのは、「せっかくこんなにオッズがつくのだから」という程度の話であって、あんまり評価はしていなかった。むしろ、ダービーニュースの本紙・長谷川仁志が、二頭とも無印という勝負に出ていて、それに拍手したくらいだったのだ。
 ……いや、長谷川さん、やっちゃったな。でも、いいぜ。予想家ってのは、それでいいんだと思う。そっちの方がいいんだ。でも、かましちゃったな。なんか、この先つらいことがあっても、この長谷川さんのダービー二頭抜けのことを思いだせば、やっていけるかもしれない。でも、アントニオバローズには▲打ってたって、ちゃんと書いておくよ。
(追記:http://www.s-shimizu.jp/pc/ ←このサイトの無料会員で読める長谷川さんのコラム「長谷川仁志の血闘馬券」が泣けた。名文なので引用したいが、会員制サイトなのでやめておく)
 まあ、それはともかく、そんな感じだった。俺の大好きな大西直宏が、日刊スポーツの一面で「ロジユニヴァースの巻き返し」を訴えていても、「関東びいきかな?」くらいにしか思えなかった。いやはや。「目方を戻しても、中味がともなってるわけじゃねえだろう」とか思った、俺の負けだ。重い馬場に強そうなネオユニヴァース産駒、最内、買うべきだったんだな。ただ、状態ばっかりは難しい。わからん。これは仕方ない。
 リーチザクラウンについても、この、負けはしたが、やっぱり武豊はうまく乗ったし、馬も強かった。しかし、最後の粘り腰は、もうちょっと、勘弁してくれても、よかったのに……。

馬場とレースについて

 なんか凄い雨降ってたね。こちら横浜市中区、快晴とは言えないが、青空に太陽、白い雲って感じ。一方で、テレビの中の府中は豪雨。ラジオの方も雨音が入ってくるような感じ(だいたいラジオ日本聴きながら、TVKという環境)。なんか、重馬場の実感とかわかねーなあって思ってたら、なんか不良化。超タイムかかる。すごい。なんでだ? コース替わりの週に、いきなりだから? わからん。
 で、それでどうだったかというと、馬券のことやらなんやらはちょっとおいておいて、正直、ちょっと楽しかった。東京優駿の勝ちタイムが2分33秒7だぜ。なかなか見られない。ザ・ダービーかよって。
 そりゃもちろん、雨で滑って馬にとって危ないとか、能力通り実力が発揮できないとか、そんな話もあるだろうし、それには半分同意したい。でも、なんだ、べつに、そんなにタイム速いからなんだよって。こんなんもいいじゃねえか、なあ。というか、どっかローカル、いや、中央4場の一個くらい、普段から、良馬場でこんくらいのタイムかかるような、ヨーロッパみてえな馬場にしてもいいんじゃねえのか? 芝が養生しないか? わからんが、でも、それもいいんじゃねえの。なんかこう、競馬ってのは記録会じゃねえんだ。わざと、そういう条件を生み出していくのが、いい。ちょっとくらい、内外で不利があるとか、逃げ有利とか、差し有利とか、まあそんくらいの偏りがあった方が、博打としておもしれえんじゃねえかって。
 まあ、だから話は逸れたけれども、たとえば、こんな馬場で、ダート重賞馬のゴールデンチケットが勝っちゃったりしても、それはそれでよかったんじゃねえの、みてえな。まあ、なんか、そんなことを思った。
 あ、そうだ、あと、なんか、ちょっと思ったのは、変な話だけど、ゲームの『G1ジョッキー』みてえだなって。なんかもう、四角あたりでほとんどの馬バテちゃって、でも、合わせ馬要素で、ロジユニヴァースだけ伸びて、あとはその差変わらず、みてえな。なんか、ね。

総評〜さて、ダービーも終わったわけだが〜

 さて、大損ぶっこいて、それでも、目黒記念馬連(馬場悪かったらオペラハウス買うべ)と、大井の最終レースの馬連を獲って、「競馬ファンは生かさず殺さず」という、競馬の神さまの思惑を感じたんだけれども。

 ああ、なんの話かっていうと、大井の最終、これな。このレース、アンハートフェストって馬が、成績のわりに人気してんの。MXの実況によると、これが矢作和人調教師、中央の矢作芳人調教師のお父さんの最後のレースっていうの。それで、的場文男が、ずっとつきっきりで鍛えて出てきたっていうわけ。たぶん、専門紙にもそういうの載ってたのか、あるいは大口の買いが入ったのか……。
 それで、俺、どう考えたかっていうと、「佐々木竹見の引退レース、あのグリグリ◎の馬が負けたんだ。そんなに都合のいい話はねーよ」って。それで、「前のレースでメジロライアン産駒がんばってたし(マケテタマルカはちょっと緩かったね)、持ちタイムもあるテンジンミナトオー買おう!」ってさ、夢の馬券、単勝馬連買ったの。でも、締切直前に、御神本訓史のセラフィナイトって、ディアブロ産駒が気になってさ、そっから馬連四点くらい買ったわけ。そうしたら、同枠のファンキードラゴンひっかけて、まあ、ひっかかったぜって。なんというか、そのあたりよ、そのあたりに、俺が生かさず殺さずの目に遭っていると、そう感じるのよ。
 ああ、まあでもやっぱり生きてもいないわけで、やっぱり凹んでいる自分なんだけれども、なんかまあ、ちょっと来年に向けてやっていこうかと思います。そうさ、俺は生きないし、かといって殺されもしないぜ。それじゃあ。