ラブホテル妄想

 ラブホテルといえば無人化がすすんでいるところも多いが、もちろん人がいなければ営業できない。たとえば、客室選択パネルのライトなども、実は裏側で係の人が手動で行っているかもしれない。パネルの向こう側で待機して、掃除の終わった部屋から「403、掃除終わりました」と連絡が入ると、ぱちりとスイッチを入れるのかもしれない。しかし、なんといっても熟練の腕前を見せるのは、お客さんが来たときだ。カップルの身なりからジャグジー完備の高い部屋にするのか、それとも安い部屋にするのか見当をつけ、目の動きや指の筋肉のわずかなうごめきを見て、客がボタンを押すと同時にスイッチを切る! これによって、客は裏側に係の人がいるとは気づかない。場合によっては、無線でレシートを出力する係の人に連絡する。部屋番号と入室時間が記されたレシートを入力する係の人。タイピングのさい、ほとんどキーのタッチ音を出しはしない。