アニメ『青い花』は最高に最高だった!


 ひび割れた丘、錆びた空の下、生きる僕らまるで青い花歌丸です。みなさんご覧になりましたか『青い花』第一話。私は観ました、今朝録画したのを観ました。観て、会社に少し遅れました。ともかく、これは楽しみにしていたアニメです。私は、百合とボーイズラブに滅法弱く、そのうえ、心の、いや、実際のふるさとが鎌倉だからです。このようなアニメは私のために作られたと言ってよい。漫画も注文しました。

どこの鎌倉

 さて、私は長らく鎌倉で過ごしました。「御成中」といえば、「オナり? プププー」というよりも先に、我が歴史が古いだけが取り柄の腰越小のライバルである御成小のことなどを思い出します。とはいえ、地元民ゆえに、このアニメの第一話で描かれた鎌倉は、自分のテリトリーとはあまり重なっていないことを言わねばならない。このアニメで描かれているのは、コアの鎌倉という気がするのです。
 私のすごした西鎌倉〜津西のあたりというのは、だいたい鎌倉の中では新興住宅地ということになります。一方で、このアニメで描かれるあたり、主人公たちがどのあたりに住んでいるのかはわかりませんが、やはり谷戸っぽさがある。鎌倉駅北鎌倉駅周辺、谷戸のあたりというと、「本当の鎌倉だな」という気がします。旧住人たちの鎌倉というところで、そのあたりについては、正直、「鎌倉出身」と言いながらも、少し引け目を感じるところがあります。自分としても、その鎌倉より、藤沢市街、あるいは大船に連絡された中にある、ということです。だから、北鎌倉のあたりに見覚えがあっても、ある種の来訪者としての記憶であって、もちろん土地鑑はあるにしても、やはり究極までの地元感はしないというところです。

白百合の思い出

 そして、舞台は江ノ電沿線。架空の駅(幻の駅)。しかし、なんでしょう、また江ノ電の勝ちです。湘南モノレール党としては、これが悔しい。湘南モノレールが舞台ではいけないのでしょうか。ここらあたりの人にとって、湘南モノレールで、百合と言えば、湘南白百合学園中学高等学校ということになります(たぶん)。「湘南白百合」、中高一貫の女子校です。湘南白百合ですよ。『青い花』よりもフィクションっぽいといわざるをえない。だから、湘南白百合モデルにして、モノレール沿線でやりゃいいだろって思ったりするわけですね。

★☆☆☆☆
 ……白百合と僕の思い出。小学五年になると、私は、大船の日能研に通いはじめました。もちろん、モノレールです。そして、ちょうど塾に向かう時間と、白百合たちの帰宅時間が被るのですね。もう、モノレールの車内は、白百合の香りでむせかえるほどになるわけです。
 それで、白百合といえば、お嬢様学校というイメージを持たれているわけですが、いや、うるさいのなんの。きゃーきゃー、わいわい、ピーチク、パーチク、なかなかかなわんのですね。こう、私など、一人のときはうんざりしたように、寝たふりするくらいしかないのですね。
 そんな状態のある日でした。やや空き気味の日だったのですが、ボックス席に一人座っていたら、まわり三席を白百合が占めたのです。もう、どうしていいかわからない。しかたなく、外を見ていたわけですが、その後、白百合たちがおどろきの行動に出るのですよ。なんと、紺のソックスを脱ぎ始めて、生足になるじゃないですか。なんというか、こうどぎまぎして、もちろん見るわけにもいかず、顔が赤くなってもいけず、地獄のようですよね。で、彼女らがなにをしたかといえば、そのころ流行のルーズソックスに履き替えるわけです。片足を折り曲げて、女子中学生、あるいは、女子高生のおねーさんの、靴下着替えですよ。密着状態で。天国のようですか? わかりません。もう、僕は頭の中がたいへんなことになってしまっていました。
 あれは、なんだったんでしょうか。僕は、何にもないように思われていたのでしょうか。それとも、子供をからかってみたんでしょうか。ともかく、あの天国と地獄は、僕の人生にもうあらわれることはないでしょう。僕はもう、三十のおっさんになってしまったのだから。
★☆☆☆☆

アニメの感想


 ……というわけで、話が逸れに逸れました。えーと、どこから誉めればいいんでしょうか。あの、万城目ふみさんの、いとことの関係と、その失恋と言いますか、あの流れなどたいへん好きでした。あるいは、その、たとえばそれぞれのキャラと通う学校のタイプが逆じゃないかとか、そういうあたりの、今後どうなっていくんだろうというわくわく感はありますし、何より絵も丁寧で、とてもいいトーン。はっきりいって、まだ原作漫画が届いていないので、今後どうなっていくのかまるで知らないのですが、まあともかく、漫画は先に読んでしまうし、アニメも楽しみにしようと思います。「このアニメを観るために、来週までダンプカーに轢かれて死んだりしたくはない」と、そう思わせてくれるような、そんなアニメなのです。おしまい。


 ……あと、『放浪息子』の一巻も買いました。おいおい集めていくつもり。


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