秋の三浦半島129km〜秋の味覚情報とかはねぇから〜

ねんがんのみうらはんとうを一周したぞ

 横須賀、走水あたりまではうろうろ出たり、逆方向から逗子あたりまで行ったことはあっても、三浦半島一周というのは達成したことがなかった。が、そろそろ行かねば、一生行けぬような気もして、南に向けてペダルをこぎ出した。頭の中に流れるのは、もちろん「岬めぐり」だ。

 ちなみに、この先人たちの写真を勝手に拝借して構成できそうなルートで、一瞬そういうことも考えたけどやめた。

ヴェルニー公園

 朝の七時ごろ出発して16号を南下。なんども通った道(というほど通ってないけど)。そして、とりあえず横須賀に入ったらヴェルニー公園で休憩。実のところ、別に休む理由はなく、道中一緒になった単走ロードの人の後ろずっと走っていってもよかったんだけれども、なんというか習慣だ。

DDG-173こんごう。

写真撮ってるときは釣り船かレジャーボートかと思ったけど、よく見たら迷彩服の人が乗ってる。米海軍? いや、海兵隊? それとも、そういう服を着た釣り人?

ヴェルニー公園、今はバラが見ごろ。朝からフリーマーケットとかもやってた。

観音崎のあたり


えーと、観音崎のあたりだろうか。この日はやっぱり自転車の人が多かった。あと、バイクの人が多かったな。

なんかこんなよさげな雰囲気の景色を見つけたら、ぱっと自転車を止めて(周囲を確認しつつ……とか、いちいち入れた方がいいかね?)、写真撮れるのがいいところ。

岸辺のよくわからない構造体というものには惹かれる。

秋、なんだよな。

灯明堂跡地

 道中、なんか看板で「灯明堂跡地」なる名前を見つける。灯台だろうか。今日のテーマは「岬めぐり」なので、ハンドルを左に切って進入。「あれ、ここ入っていいの?」みたいな道を抜けると、美しい海岸に出た。浜辺で遊ぶ一家族、岩場で遊ぶ一家族、そして釣り人が一人。


海の景色、とくに言うことなし。

海の景色、とくに言うことなし。

海の景色、とくに言うことなし。

一人遊びは昔から好きのなの。ただ、30のおっさんが一人浜辺でこんなことしてよろこんでる様はどうだろう? べつにかまうもんか、死ね!

ひとしきり満足したあと、自転車を駐めてあるところに戻ったら、バイクツーリング集団、駐車場にいっぱいの自動車であって、そんなにうらさみしいスポットではなかったみたい。

地蔵に気を取られて転倒する

 海沿いを進んで、どこかのトンネルを抜けたところ、左側にお地蔵さんが視界に入る。でも、なんか変だ。ちょっと先の歩道に乗って、向きを変えて……という矢先、こけた。静止状態から自転車の向きを変えている最中だ。左の掌を地面に打った。こないだ買ったグローブの分厚いクッションのおかげで切り傷にはならなかったが、あとから内出血。

で、こちらが、俺が違和感を抱いたお地蔵さま。はい、ちょっと怖いです。

なんとはなしに、薄ら寒くなってしまった俺は、五円玉をお供えして、手を合わせて心の中でチベット真言を唱えたのであった。

三浦半島はお地蔵さんが多いと感じた。みな、安全に。

ラミエルテトリス


どっかの海岸。浜からけっこう近いところでなにか工事をしている。砂浜保護かな。

浜に降りられるところがあったので、自転車をとめる。

はい、愛車一枚。これはうらさみしい自転車ですね。

作業の通信のようなものが、外部スピーカーから聞こえてくる。

ふりかえると、暇そうなじいさんが一人ポケーッと見ていた。俺もポケーッと観ていた。

この工事をしていたのは錦海運建設という会社。いま、サイトを見てみたら、所有船舶紹介ページがかっこよかった。

三崎めぐらず

 城ヶ島に渡るかどうか。渡るつもりでいたけれども、気づいたら大橋を通り過ぎていた。どっから入るのかよくわからんのでスルー(島だから半島じゃないじゃん! などと心の言い訳もあり)。それで、三崎のあたり。ものすごい数の観光客。観光客の集団、つーか、団体客というのは苦手、いや、もっと言えば嫌いだ。車道も車も自転車も無視の傍若無人っぷり。俺は気持ち悪くなったので、自転車を漕いで逃げた。

気づいたら、なんか山を登らされていて、「騙された」と思った。写真の農業用車両、ものすごいスローで坂を下る。じいさんの後ろ姿、向こうに海! と思ったものの、自転車をとめてカメラを取り出すのに手間取って上手く撮れず。このあと、路線バスと乗用車がこのうしろに渋滞を作った。あと、この少し先で足つった。ただ、こないだに比べて、比較的すみやかに回復できた。こちらを読んでいたおかげだが、どれだけ正しくやれたかはわからん→田中接骨院(ふくらはぎのこむらがえり)応急処置

坂を登り切ったりしたら、なんか山の上の町、というところに出た。自分が考えていたのとは違う方向からの進入。見やれば、フジスーパーにマクドナルド、しまむら東京靴流通センター。こういうあたりをなんと呼ぶのかわからない。マクドナルドでビッグマッククオーターパウンダーを頼むつもりが、取り扱っておらず狼狽する。

富浦公園

 さて、次の目的はどこかといえば、荒崎公園だ。名勝だ。と、その道中、なにやら公園を見つける。俺はわけあって横須賀市の公園についてはそこらへんの横須賀市民より詳しいと自負しているつもりだったが、この富浦公園というのは知らなかった。

俺のほかに一家族、園路をママチャリでぐるぐる回ってる老人一人、休んでいるミニベロ乗り一人。釣り人すらいない、この世の終わりのような公園。海苔くさい。

まったく、すばらしい。俺はここでケータイから馬券を買った。

気づいたら、子供もいた。この世界の果てでも、子供は希望なんだ、明日への。

荒崎にて

 ここは何とかの名勝何選とかにもなっているので、説明は不要か。夕日の名所であって、俺はサングラス越しにちょっとだけ夕焼け気分を感じたのだけれども、たしかにここはすごいことになるだろう。夕暮れどきには、バズーカみたいなアマチュアカメラ愛好家の集団か、それともカップルだらけになることだろう。






ちなみに、写っている釣り人たちが、釣りをしていい場所で釣りをしているのかどうかに関しては、私、関知しておりませんので。


有料駐車場があるが、自転車は無料。風が強いときは、マナー違反かもしれないけど、うしろの看板にくくりつけて置くべきだったか。地球ロック的なことをしなかったのは、係員の目の届くところだったというか、ここで盗まれることはねえだろ、みたいな油断というか。クロスバイクにそこまで神経質にならんでいいのかもしらんが、しかしなんだ、こんな調子では、万が一ロード買ったりしたら、すぐにおしゃかにしてしまうのではないか。

海沿いの好もしさ

 しかしこの、漁港の近くなどの光景は好きすぎていけない。なにがいいのだろうか。なにか、雑然としているところがいい。俺の部屋みたいだ。そして、逆光に海などというと、もうそれだけで絵になったような気になるので、それでいいじゃないかと思う。ちなみに、この日はだいたい二重仕様のサングラスしっぱなしで写真撮っていて、色合いどころか何が撮れているかわからんというくらいだったが、まあいいんじゃないのか。カメラはたいしたもんだ。





滑川分かれ道

 荒崎のあとは、ひたすら134。90kmを超えたあたりから、不思議と足に手ごたえ(?)が出てきて、気持ちよく踏み込む。そしてかつての我が故郷鎌倉に。滑川河口のちょっとした広場みたいなところでひと休み、ワンセグを出して秋華賞を見る。体が冷えてきたので、レース確定をまたずに閉じて再出発。準備運動をしようとしたら、それだけで足をつりかける。この釣り癖、俺があまりにも釣り人に近親感を抱きすぎているせいだろうか。あと、風が強くて人馬ともに砂まみれになる。

ラブカラス。

リア充

車体故障

 滑川から横浜へ。江ノ島の方まで回って帰ろうかどうか迷うも、足のこともあるし北上。ただ、なんとなく若宮大路の方は混むんじゃないのかとか思い、元地元民の土地鑑から「下馬の四つ角で左折して、深沢からモノレール下を北上して帰ろう」と目論む。大はずれ。六地蔵の細い道なんか、もう自転車ですら進めないじゃないか。大馬鹿。
 と、ここで自転車にトラブル。特別なにか衝撃を受けたということもないのに、ギアチェンジがおかしくなる。右も左も。ものっそい軽いところにしか入らない。参ってしまってコンビニで停車、うしろ持ち上げてギアガチャガチャやっても、うまくいかねー。コンビニで水買って飲んで一息ついてもかわらず。あれ、ここ笛田店? となると、祖母のアパートも近い。自転車乗り捨ててモノレールで帰るか? などと頭をよぎる。
 しかしまあ、だいたい、このころあんまりギアチェンジをしていなかったな。ロングライドするときは、重いギアでなく軽いギアでくるくる回した方がいい、みたいなので、前2後5か6の二つくらいしか使ってなかったんだな。それで、前1に入らなくなるトラブルは前から抱えていたけれども、使わないからいいや、くらいの話で。それで、このとき入るのは前2後3、4。これは軽すぎる。くるくる頑張れば28〜29km/hは出るけれども、さすがに疲れすぎる。
 で、それでもしばらく漕いでとまってを繰り返しているうちに、フロント3に入ることに気づく。結局、なんだかわからんが、前3後4か5で、異音もしないので、それで帰った。これはちょっと、自転車屋に持って行こう。なんだ、ガンガン倒しているのが悪いな、きっと。あと、もちろんポケットツール持ってたけど、致命的になると困るから、ディレイラーの調整はする気にならんかったわ。

祖母宅

 まあ、せっかくなので、祖母宅に立ち寄る。前に来て以来。今度は野球でなく、「日高義樹のワシントン・リポート」を見ていたようだ。
 あいかわらずこの深沢のアパートの環境はいい。が、わけあって引き払うことが決まっている。そのわけというのは、ようするに、この日聞いた「ATMで20万円降ろそうとしたら、‘万’ボタンを押し忘れていたらしく、10円玉が2枚でてきてショックだったの」とか、「お店で財布を落として店員さんに呼び止められて以来、財布をカバンに結わえている」などという理由なのだけれども、こないだダイソーサッカー台に財布を置き忘れてエスカレーターに乗りかけた俺も似たようなものじゃないか。
 帰り、手編みのマフラーと小遣いを頂戴する。齢30、もらえるものはもらうよ、遠慮なく。


 あとは大船〜笠間十字路〜公田といつものルートで帰る。またまた最後の方は気持ちよくなって、えらく速く漕げた。不思議なものだ。

まとめと今後

Dst129.79/Av21.8/Tm5:56'18
 三浦半島はとりあえず一周。こないだは西の真鶴半島まで行った。神奈川県内で、残るは左上の山の方だろう。が、しかし、それでいいのか? という気は芽生えている。いや、東京の地図を買って、東京まで行って帰れたとか、それでも一緒だ。なんというのだ、突き抜ける感じがない。

 まあ、要するに、Blue-Periodさんの突き抜けっぷりというか、直進性というか、そのあたりだ。俺は、どうも円を描いて帰ること念頭だ。この、日本を縦に貫くくらいの、そのあたりが俺にはないな。俺は自転車でまだ遠くに行っていないと感じてしまう。度胸、予算、計画性、体力、行動力……。俺には旅がない。それはわかっとる。さあ、どうしたものか。どうすべきなのか。

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