俺はもうダメかもわからんね。

 ついカッとなって買ってしまったCDである。歌+ドラマである。私はアニメの音楽CDを買ったり、アニメの曲をiTunesで買ったことはあるが、ドラマCDというのは買ったことがない。聞いたことがない。なんとなく抵抗があった。いや、はっきりと抵抗があった。「そこまでアニメにはまれるものか?」と。金銭的な問題、気持ち的な問題。男の子はナイーブなのである。三十を過ぎて急にアニメにはまっていいのかどうか、おっさんは迷うところがあるのである。「三十から自転車に乗り始めました」、「三十からジョギングを始めました」とはちょっと違うのである。オタク蔑視と言われればそれでもいい。なんと言われてもかまわない。ただ、「ドラマCDを買えるか?」というのは、私にとってなかなか大きな問いかけであったと言える。……発売日にラブプラスゲットしてたやつが何を言ってるんだろう? いや、ラブプラスは少しニュアンスが違う。おっさんの回顧である。ときメモ回顧の追憶である。そうだ、違うんだ。じゃあ、『けいおん!』の二期を見るまでは路上暮らしをしたくない、などと思っているのはどうなのだろう。いや、『けいおん!』は……、などと言うまい。そうだ、私はアニメがそうとうに好きであり、その関連に手を出すくらい好きだ。この後者の方がNEW!であって、私はこれからもアニメ関連商品に金を落とすのである。
 というわけで、このCDは素晴らしかったと言わざるをえない。私は『ストパン』において、声というところにおいてはエイラの上滑りするような、妙な喋りが好きなのである。棒読み的ともいえるかもしれない。だが、妙にとらわれるところがある。それが喋っているのを聞くのはいいのである。そして、キャラ的にはエイラーニャがだいたい一位か二位であって、それの掛け合いを聞くのはいいに決まっているのだ。
 わかるだろうか。わからなくてもいい。私は一通り聞いたあと、会話の方のみすぐに聞き返したのである。ヘタレるエイラはいいのだ。わかるだろうか。わからなくてもいい。おまえに言われんでもわかっとる。というか、私のこのような境地は、まさに今さらの話であろう。私は遅れてやってきたのだ。とはいえ、なにごとにも先達たちがいて、そこから学ぶことも多く、いつだって誰もが最後尾で、長い長い人々の列は歴史の端緒から終末まで連綿と続くのである。私の先に人があり、私の後に人がいる。私の先に私の役に立つ人もいれば、反面教師にしたい人もいる。私の後ろには私を役に立てる人もいるだろうし、私を反面教師にする人もいるだろう。いずれも私には関係ない話である。
 なんの話をしているのかわからない。ただ、反省したのは、「ちょっとストパンに構えすぎたかな」ということだ。それほど構えることはないのである。普通のアニメである。普通といっても、平凡でつまらないというわけではない。傑作中の傑作というわけではない、ということだ。普通によいアニメなのだ。というか、まあ、それなりによいアニメなのだ、というだけだ。あまりテンションを上げるほどのことではない。このCDとて、歌と会話が交互に入っていているだけだ。べつに、なんということはないし、本当にこっちの心臓を撃ち抜かれていたら、こんなに饒舌にはならない。たぶん。だから、私をそんな目で見るなといいたい。
 以上、これこれこのような様子である。それでは、これからDSのゲーム買った方がいいのかどうか考えるから。おしまい。