割れガラスの切れ味、氷砂糖の摩擦ルミネセンス光、タカハシマコ『乙女ケーキ』

乙女ケーキ (IDコミックス 百合姫コミックス)

乙女ケーキ (IDコミックス 百合姫コミックス)

 「ああ、もう読んでられない!」と思って、本を閉じてしまうようなものがあって、そこまでの揺さぶりをしかけてくるようなものというのも少ないのだし、昨日のそれがなにかといえばタカハシマコの『乙女ケーキ』である。かわいい絵柄の百合漫画と侮ることなかれ、その鋭利さにご用心。壊れ物注意、スパッとやられる、冷たく光る怖さがある。怖い怖いといってると誤解を招くが、そこにあるのは誰かを好きになるというあたたかい心の働きなのであるが、やはり人の心を覗くかのようなおそろしさと凄みがある。ああ、なにか言い過ぎているかもしれないし、俺の内心に巣くうコミュニケーションへの恐怖や得られなかった青春、あるいは思いを寄せた男の子への未練などをほじくりかえされているだけやもしらん。しらんが、この圧倒的ななにかというもの。さすがは「少女になったことはあるから(一応な…) 手放しで大好きなんて言いたくないのね。」(『野いちご心中』あとがきより)の手放しでないところがね。
 なんというのか、俺は人間関係とかなにかのひりひりするところに弱くて、その弱いというのは幾通りものミーニングでの弱さであって、それは弱みでもあり好きでもあって、好きは嫌い、嫌いは好きのところがあって、なにか耐えられないとなると目を逸らすところもあって、たとえばアニメ『放浪息子』は見られなかったというところもある。ただいずれ見るだろう。やるときにはやるし、やれるときにはやるし、やらないときにはやらないのもやる気のうちだって言うしな。おしまい。

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