断片日記

 ……諸君、西山審議官の娘が東電の社員であるか否か、わたくしは正確な情報を持ち得ない。しかし、諸君、かような事柄がありうるかありえぬかと問われれば、おおいにあり得ると答えよう。聞けば、石破議員の娘も東電だという。もはや、この国は貴族がはびこっている。門閥制度は完成している。……ならば、時代は「ブラウンか星野か?」の二択を迫られているといえるのか? 大いなる誤謬であるといっていい。「ブラウンは星野伸之スローカーブを左中間に叩き込めるのか?」を考えるほうが有意義であるといえる。なんならば、ペルドモを監督にして、チーム内会話をスペイン語に統一せよ。楽天の二文字にふさわしい! ……ただし彼らの身分は一般市民でもある。高額納税者番付制度は廃され、個人情報保護の名のもとに、その姿は不可視である。しかし、この国の行政、政治、大企業に巣をつくり、税金を食い物にしているのである。ファミリー企業とはよくいったもの、これを許すべきかどか、今一度自分の胸に聞いてみるがよい。……しかるに、『あの花』に対して、わたくしが人間関係や輝かしい青春に抱く嫌悪が適用されなかったのはなぜか。ひとつに、彼らが残らず、失った人間、損なった人間、取り返しのつかぬ欠損を抱く人間だからである。なるほど、高級官僚の子供、大企業の社長の子供に生まれるのは、その子供らの選択ではない。しかし、最底辺に生まれるのも同じく子供の選択ではない。同じことなのである。……秩父オレゴンであり、『スタンド・バイ・ミー』が流れてくる! これがハリウッド実写版である。ここに真相は明らかになったといっていい。彼らはザ・ボディを探していたのである。……人間社会を自然界にたとえること、自然界を人間社会にたとえること、いずれも甘美な誘惑といっていい。あるときには正鵠を射ることもあろう。ただし、それはたとえ話にすぎぬ。人間社会が人間以外の生物と同じ通りで動いている、あるいは、昆虫の社会らしきものが、人間社会と同じ道理で創り上げられているなどと考えてはならんのだ!……もっとも革命的な存在はもっとも無抵抗であり、完全なる服従、その突き抜けたところにあるといっていい。しかし、だ、その有り様は真似て真似できるものでなく、規則を作って従わせるのも間違いである。彼はつねに単独の存在であって、唯我独尊といっていい。このような人ばかりがそれぞれに寝起きして生きていけるほど、人間の身体も精神も、また技術も発展しきっていない。しかし、だからといって、「共産党に政権を任せられるとは思わないが、少数派野党として存在してもらいたい」などという生半可な態度が許されようか。断固として否である。一挙として人間精神の変革が起こらなければならぬ。それが見えぬかぎり、不完全に革命的な存在として、各人それぞれに強力な暴力を抱いて交わらず、一殺自殺の精神を内ポケットに入れて街を歩くがいい! ……圧倒的な夕暮れ、無敵の歩行者、息を吸い、息を吐き、空前絶後に立ち止まり、いま、最強の一瞬がはじまる!