自転車を稼動状態に保つために、ときおりまたがって近所を流すことがあります。今日は夕刻にたらたら漕ぎ始めまして、みなとみらいから日の出町、初音町を経て、川沿いの道を帰ってきたのでありました。ちょうど日の暮れかかるころでして、中村橋の交差点からの眺めが一等にすばらしかった。川の水面、浮かぶレジャーボート、雲は夕日の赤みを帯び、空はしんとして青く微妙なグラデーションを描き、湾岸のプラントからは薄紫色の煙がもくもくと吐き出されていたのです。このような情景、色合い、まるで川瀬巴水の版画のようで、一枚写真にでもおさめたいところではあったのですが、あいにく川沿いの道は止める場所も少なく、停められるようなところに少しでも前進してしまうと、その景色は失われてしまうのでした。とくに、工場の煙は、近づけば近づくほど面白くないアングルになっていき、ついには見えなくなってしまうのでありました。
突き当りの橋を左折しまして(この時間から走水に走ろうかという気も少しはありましたが、右折しにくい道なので、それはやめました)、間門に差し掛かったあたりでありましょうか、夕焼け雲も少し黒雲の混じったような感じもあり、また空はといえば奇妙なほど明るく、手持ちは携帯端末のカメラなのですが、歩道に寄せて何枚か写真を撮ったのでありました。
偶然、神奈川臨海鉄道がやってきました。長い長い貨物列車でした。できたら自転車などほうって、そのままフェンスの向こうに消え入りたい心持にもなったのでありました。
さて、今年は自転車に乗る機会があとどれだけあるのでしょうか。思いますに、クロスバイクのときに1日190km走れたのだから、これならば200km超は簡単だと思う一方、心身といいますか、身の方はかなり軽くなっていてますます条件は有利なのですが、遠乗りに気乗りしない心の方の問題をどうするかでしょう。心の弱まりは交通の一瞬一瞬の判断を鈍らせる可能性もありますし、ポイント・オブ・ノーリターンを見誤る可能性もあります。いくらか自転車にのめり込んでいたころでしたら、「チョコレートで補給すれば徹夜でも走れるさ」と漕ぎだしたのでしょうが、今はそんな元気もなくなってしまったようです。それに、輪行などというものは考えるだに億劫なことでありますし、走りたい道もない、目的地もないという事情もあり、気づいてみたら自転車にとって一番いい季節も過ぎ去ってしまうのでありました。
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……川瀬巴水の新版画をはじめてここで見たという気もするのですが、さてどうやら。カレンダーなどあるようですが、こういうのは実際の色味が気になってしまいます。こればかりは印刷技術のさらなる革新があったところでどうなることかわかりませんが、美術展など見た後に図録の色味を見るとがっくりきてしまうことがあって、それを理由にして買わないこともあります。まあ、実際はあまりお金を使いたくないのが大きいのですが。
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……ちなみに、今年もわたしのアパートの部屋のメーンのカレンダーは日刊競馬のものです。何年目になるかわかりません。もう競馬はやめているのですが。