『攻殻機動隊ARISE 眠らない眼の男 Sleepless Eye』を読む

攻殻機動隊ARISE ~眠らない眼の男Sleepless Eye~(1) (KCデラックス)

攻殻機動隊ARISE ~眠らない眼の男Sleepless Eye~(1) (KCデラックス)

 劇場まで『ARISE』を観に行って、もらった冊子に第一話が収録されていたARISEの後日譚の前日譚というか前日譚なのであります。まあ、草薙素子とバトーとの邂逅を描いた物語なのであります。
 それはそうと、いきなり「これは買ってよもう」と思った個人的なくだらない理由を申し上げますと、このところ絵的にはゆるめな漫画ばかり読んでおりましたため(『ゆるゆり』、『咲』、『ゆゆ式』など)、本作品の繊細かつ硬派な絵柄を見て「こういうの、おれ、さいきん、よんでない!」と思ったからであります。
 実のところ、幼年期から二十代前半のNEET期までわりと漫画を読んでいたほうだと自負はしております。が、ここ十年くらいはめっぽう遠ざかっており、三十過ぎてアニメに目覚めてから、そのルートでぽつぽつと買っているくらいのことになってしまったわけであります。
 というわけで、わたくしが「この漫画、絵、細けえしすげえな!」と感心しても、「なにいってんのおっさん、今の漫画はこれが水準だぜ」とか、「そもそもお前の昔からの漫画読書量なんてたいしたことねえだろ」とか言われてしまう可能性もあるわけでございます。でも、やっぱなんかいいなって思いますとも。
 で、なんかいいなの風というのは、戦う女でありますところの草薙三佐からも吹いてきているのでございます。なんといいますか、この『ARISE』の草薙さんの髪型よくない? おれ、すげえ好きなのですが。なんというか、このおでこを一日中見ていたいという気にさせられますとも。ええ。少数派でしょうか。知った話じゃねえや。
 で、この一巻は壮絶な戦場が主に描かれているわけであります。個人的に気になるのは、電子戦がどうなるのか、というあたりでございます。わたしの中での攻殻機動隊といえば、漫画2巻のスターバト・マーテルのミレニアム〜対「荒巻素子」戦であったり、映画の『イノセンス』の方の謎の中国語と「デコイ」、「デコイ」言ってるあたりでありまして、それが義体アクションより大きいのであります。割合で言うと6対4、7対3くらいかもしれません。本作『攻殻機動隊ARISE 眠らない眼の男 Sleepless Eye』(←ところで「Eyes」じゃないのには意味があるのかな。それと、「眠らない眼の男」というのが「青い犬の目」みたいにちょっと妙な冗長さを醸し出してるし、「Sleepless〜」とどっちか一個でいいんじゃねえか? というのはどうでもいいか)では、今のところちょっぴりサイバースペースが描かれているだけで、今後そのあたりはどうなるのか、と気になる所ではあります。
 まあ、いずれにせよ単行本派ですので、読むのはまだ先の……って。帯によると「この単行本のつづきは7月10日(水)発売の月刊ヤングマガジン第8号で読めます」とか書いてあるわけです。そうか、週刊だと無理でしょうが、そういうタイミングを見計らって、雑誌に誘導しようって、なんというのか動線ができているわけなのですね。映画館まで来るくらいのファンに第一話を読ませる、単行本買わせる、雑誌を買わせる。当たり前のやり方なんでしょうが、いや、そうなの、そうなのか、と。ひょっとしたら『咲』シリーズなんかもそういうあれがあって、わたくしが気づかなかっただけなのでありましょうか。しかし、ちょっと今、漫画雑誌買う余裕があるかというと、ねえかなというあたりなのであります。いや、7月10日に月刊ヤングマガジンの感想を書いてないとは言い切れないわけではありますが。おしまい。

>゜))彡>゜))彡>゜))彡

攻殻機動隊 (1)    KCデラックス

攻殻機動隊 (1) KCデラックス

攻殻機動隊1.5 HUMAN ERROR PROCESSER (KCデラックス)

攻殻機動隊1.5 HUMAN ERROR PROCESSER (KCデラックス)

攻殻機動隊 (2)    KCデラックス

攻殻機動隊 (2) KCデラックス

……『ARISE』のあと引っ張り出してきて読み返したりしてるが、ずっしり重くて(物理的に)おもしれえわ。