細型排水口用の水切りネットについて

ごみシャット 細型排水口用 水切りゴミ袋 30枚入 M-271

おれの安アパートの台所の排水口は、細型である。物件を借りようというときに、新しくしたばかりだという給水機器に目が行って、そのことに気づいたのは入居後だった。

細型排水口用の水切りネットというのは、売っているようで売っていない。いつもの100円ローソンにあったかと思えば、いつの間にかなくなったりしている。大きめのダイソーならあるだろうと思ってみれば、なかったりする。

だからおれは、細型排水口用の水切りネットを見つけると、3袋くらい一気に買うようにしている。おれは賢い人間だ。ただ3袋くらいある心の余裕から、うっかり切らしかけたりもする。おれは愚かな人間だ。

Amazonなら買えるんじゃないの? そう思って検索してみれば、Amazon直販で「おまとめ買い対象」だったり、Amazon在庫がなかったら、送料込みで馬鹿みたいに高かったりする。それじゃあ買えないよ。

100円ショップめぐり、ホームセンターめぐりをする必要があるのか? そう思いかけていたとき、職場で「なにか要る人ー?」の声。会社の備品、消耗品をカウネットで買うときの習慣である。

おれはピンときた。カウネットなら絶対に売っている。そういう確信があった。オフィスの給湯室の排水口が細型なんてことは、実にありそうなことじゃないの。ニーズがあるはずだ。カウネットなら……。

カウネットなら、あった。しかも安い。送料は他のものと込みなので、一気に5袋まとめ買いした。100円ショップで買うより安い。あとは、おれがこの5袋分を消費するまで生きているかどうかという話になる。あるいは、「カウネットのついで」に便乗できる立場にあるかどうかという話になる。

消耗品を買うとき、死のことを考えないことはない。このシャンプーを使い切るまで生きているつもりなのか? この台所用洗剤をどこまで使ったあたりでおまえは死ぬんだ? 生活は死に満ち満ちている。