- 作者: テッド・チャン,公手成幸,浅倉久志,古沢嘉通,嶋田洋一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/09/30
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- 作者: テッドチャン
- 出版社/メーカー: 早川書房
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とは、当然のことながら優れた短編集じゃなきゃそんな感想は出てこない。じゃあ『あなたの人生の物語』はどうだったの? といえば、それはもう優れた短編集なんだ。間違いはないよ。表題作もいいが、おれは最初に載ってる「バビロンの塔」も好きだな。うん、ほかもいろいろの角度からスパッとやってくれるよ。間違いない。おれは今疲れているのでそれ以上の感想は引き出せない。
しかしなんだろうね、「あなたの人生の物語」。ファースト・コンタクトものだ。ファースト・コンタクトものというのはいろいろとおもしろい。というか、われわれ人類も(こっからテッド・チャンから話逸れます)ファースト・コンタクトをやってきた存在だよな、と。たとえば、英語のようなある程度普及した言語の教育を受けていない二人の人間を一つの部屋に入れて、さてどうなる? とか気になるところではある。言語学とかそういった学問の領域では、そういう実験とかやってるんだろうかね。なんちゅうか、西洋文明の人間がヤノマミ族を訪れるという一方的なものではなく、なんか五分五分みたいな感じで。そんで、そうなると、どうなるのだろうかね。やっぱり、まずはお互いの名前から始まるのかね。私は何ものであるか。それはどのような言葉で表されるのか。あなたは何ものであるか。それはどのような言葉で表されるのか。そして、それぞれがどのようなところからやってきたのか、という話になるのだろうか。興味深い話だ。言語学か何学かわからぬが、そういう実験を目にする人間が羨ましいと思う。というか、そういう研究があるとすれば、読んでみたいものである。とはいえ、実際のそれが「あなたの人生の物語」よりおもしろいかどうかはわからないのだけれど。