とにかくみんな声あげてみよう カーリー・クロス問題に物申す

カーリー・クロスが謝罪、撮影で日本人女性の格好 - ハリウッド : 日刊スポーツ

カーリー・クロスが炎上謝罪 日本文化を盗用と指摘、米VOGUE誌で「芸者スタイル」披露

この問題についておれはこんなブックマーク・コメントを残した。

 

カーリー・クロスが謝罪、撮影で日本人女性の格好 - ハリウッド : 日刊スポーツ

触らぬ神に祟りなし。

2017/02/16 19:14

「文化の盗用」? なにやらむずかしい。「日本に住む日本人の問題ではない。アメリカに住むアジア系の人間の問題だ」。はあ、そうですか。よくわからない。だからおれは、これについてまず「触らぬ神」だと思った。

思ったが、どうもそれが腑に落ちない。おれはカーリー・クロスと聞いても、「競走馬の名前ですか?」としか思えぬし、「ヴォーグ」と言われても「なんか聴いたことある」くらいの人間だ。これらの記事についてつながるのはほんの細い糸だ。おれがたまたま日本に生まれた日本人で偶然日本文化の中で生きてきたということだけだ。だから、「日本でしか生きていないお前らには関係ない話だ」と言われたら引っ込むしかない……のかもしれない。白人や日系、アジア系アメリカ人、グローバリゼーションとやらの中を生きる人間の問題かもしれない。

の、だけれど。の、だけれど、正直なところ、この話題に触ってしまうと、直観として「なにが問題なの」と思えて仕方がない。それがおれの本音だ。白人モデルが正式かどうかわからない和装をする。相撲取り風の男と写真に写る。おれはそれを「これは実に日本的だ」とは思わない。思わないが「こういう奇妙でちょっと勘違いしたような海外からの日本観というやつはおもしろい」とは思う。だから、そいつがポリティカル・コレクトネスかなんだか知らないが、批判の俎上にのっけられると、「いや、ちょっと……」と思ってしまう。おれが「おもしろい」と思うことが、おもしろくないこと、さらには正しくないこととされてしまうことへの違和感だ。

だからといって、おれは「日本人のおれが日本文化の代弁者としてこれをおかしくないと断言する」という立場には立てない。なるほど、日本に住む日本人には縁遠いというか、関係ない話なのかもしれないな、とは思う。思うけれど、「なんか妙な混ざり具合、おもしろみがこの世から減っちまうな」とおれは思う。主語は最小だ。日本に住む日本人として、とかいわない。おれは、そう思う。おれは世界の正しさについて論じられるほど賢くもないし、一生日本という国の外に出る機会のない人間だ。そのどうでもいいような「おれ」はそういう意見を、やっぱり無駄で無益で不毛で結局不易と知りつつも、世界という大海に一滴たらしたいと思うのだ。だから、このおれの「思い」が「政治的に正しくないただの感傷」と切り捨てられようが、「へえ、日本人はそう思うの」と思われてもどうでもいい。どうでもいいが、個人がネットというメディアを持つ時代にあって、やっぱり「触らぬ神に祟りなし」より、一滴意見をたらす方がいいのかもしれない、そんな風に思って、これを書いている。その結果が、文化の多様性につながるのか、悪しきポピュリズムにつながるのか、そんなこともわからないで、これを書いている。以上。