ななてる作『ワールドウィッチーズ2』を読む

 

ワールドウィッチーズ 魔女たちの航跡雲 Contrail of Witches 2 (角川コミックス・エース)

ワールドウィッチーズ 魔女たちの航跡雲 Contrail of Witches 2 (角川コミックス・エース)

 

 すばらしいストライクウィッチーズ世界のすばらしいワールドウィッチーズたちを描いた漫画である。どのあたりがすばらしいかといえばカンタクジノさんの大人っぽさであり、陸戦型の描かれ方であり、ゴロプのきつさであり、リバウの魔王の圧倒的な強さであり、ええなぁと思うのである。

しかしまあ、ゴロプ、これをウィッチとして出す。このあたりのさじ加減、難しいところだろう。なにせ、パイロットとしての実績にはなんの問題もないが、ルフトバッフェよりナチス寄りの人物。そこんところをどうする? そこんところを「冷徹な指揮官」のように描く。きわどい。ドイツじゃ発禁か? わからん。

そのモデルのゴードン・ゴロプというとMe163に関する本に出てきたのを思い出す。ふらりと現れたゴロプ、基礎であるグライダーの訓練をせずにロケット戦闘機Me163に乗る。

d.hatena.ne.jp

……着陸態勢に取り掛かった時、高度が通常より少し高かった。私たちが同機の墜落を確信したのは、その直後だった。大佐の「ベルタ」はバンクやスリップの代わりに機首を急激に下げて私たちの視界から消え去ったのである。数秒後、私たちの予想は見事に外れた。再び姿を現した同機は着陸フラップを規定通りに降ろして飛行場のぎりぎりに接地したのだった。着陸後、私の同僚からMe163の高度処理手順を問いただされたゴロップ大佐は言った。

 「あれは、おれの計画通りにやったまでさ」

 この返答に対して私の同僚は辛辣な言葉を浴びせかけた。

 「あんな着陸方法だと、2回目の飛行はきっと失敗に終わりますよ」

 すると、大佐は表情を変えずにこう言い返した。

 「おれが再びMe163で飛ぶことは恐らくあり得ないだろうな」

 この後、ゴロップ大佐は、にやりと笑って乗用車に乗り込み、ベルリンの軍司令部に帰っていったのだった。

 このあたりは、なんというか飛行機野郎という感じがしたものだ。大佐なのに、なんか命かけてる。いずれはガーランドとの反目とか描かれるのだろうか。それはないか。でも、「ミラージュウィッチーズ」いいな。アニメ化されないかな。今回出てきた中心キャラだけでもなかなかいいぜ、いいんだぜ。

あとなんだね、すばらしいストライクウィッチーズ世界は漫画でもすばらしく、ますます続いていくことを願うばかりなのである。以上。

 

<°)))彡<°)))彡<°)))彡<°)))彡

 

 あれ、1巻の感想探しても見つからなかった。これも買い、だよ。