本当にいい時間ってのは一日のうちたった数分なんだ。
マジックアワーというか、そういう時間。
数分逃したら、もう空の色は変わってしまう。
逃したあとの写真なんだぜ。
逃してしまったなあと思って、それでもシャッターを切る。
もう遅いのだぜ。
酒を飲んで座椅子で寝てしまう。
朝焼けが見える。
これも数分の話だ。
外は小鳥たちの天国だった。
酒が残ったままふらつく。
見慣れた風景は、見慣れた風景に過ぎない。
高いところまで連れて行ってくれ。
昔おれが住んでた小さい部屋には、今は他人が住んでいるのか。空き部屋なのか。
わかんねえや。もうすばらしい空の色はどこかに行ってしまった。
凡庸。新聞配達のブロガチャ。
そんななかカメラをぶら下げて歩くおれは不審者。
気をつけて!