チームラボボーダレスへ行く ― アートの未来なんて知っちゃ話じゃないけれど

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女がお台場のチームラボの展覧会に行きたいというので予約したら、女が考えていた「ボーダレス」ではなく「プラネッツ」の方だった、というのが前回。

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今回は間違いなく(お台場には二ヶ所しかないので間違えようもないのだが)「teamLabBorderless」の方に来た。プラネッツの方は時間ごとの予約制だが、こちらは日にち指定のみ。ゆえに、あまり混んでいない時間を選びたい。と、公式サイトでオープン直後は混む。5時以降がおすすめだ、とある。夕方なら暑い時間を避けられよう(十分暑かったが)、だいたい4時半ころついた。

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着いたら、とんとんびょうしで入場できた。入場前の説明を受けた。「エプソンチームラボボーダレスは迷います」。うむ。

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そしてまあ、こういう空間なんだろ? という空間。しかしまあ、実感してみなければわからないだろうが、鏡に合せ鏡、ときには床も鏡、子供だましというなかれ、いやいってもいいが、それはもうなかなかに異世界なのだぜ。

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独り占めしたい感覚もあり、他人が居たほうがいいという感覚もあり。少なくとも一人くらいの道連れはいたほうが楽しいだろうとは思う。

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これに近いものはプラネッツにあったな。

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なんかすごいのか? と言われそうだが、すごくないようでいてすごいようでもありすごくないというわけにはいかないくらいはすごいような気はする。

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今回はスマホとの連動を忘れなかった(とはいえ、この展示だけなのだけれど)。象形文字の虹だの朝だの月だの雨だのを選ぶと、それに反応する。とはいえ、やっているのは自分だけではないので、はたして自分がやったのか、どうか、というのはわからない。そこが面白みでもあるのだろう。一番わかりやすいのは雨で、ザーッとなって見上げたらすごいんだよ。

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光の雨がザーッとな。

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もちろん、床も鏡。

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スマホで動画を撮っておくのもおすすめだろう。むしろ、動画だろう。

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ある展示の鳥。この鳥らが飛び立ち、頭がくらくらするような思いをする。ここの展示はどれも見終えた、というか、体験し終えたあとに平衡感覚や身体感覚にくらっとくるところがある。そして、この鳥たち、飛んでいって通路を駆け抜けたりはしていなかっただろうか。

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インタラクティブ性といえば、たとえばこの展示で壁面に落ちてくる「鳥」だの「雨」だの「山」だのを触ると、とたんに「鳥」は鳥になって飛んでいく。おもしろい。

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ちかごろビデオゲームはやらないが、ゲームのなかにいるみたい、ともいえる。

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こんにちは、黄金頭です。

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あと、照射を受ければ自分の身体も、だれのかの身体もキャンバスになってしまう。白い服を着ていけば、周りの人を楽しませることができるだろう。

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そして、おれがこの日一番気に入ったのがこれだろうか。光の彫刻、だっただろうか。

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ライトが動き、光が放射される。その放射の光が見えるよう、スモークのようなもので部屋が満たされており、他の部屋よりちょっと暑い。まあ、それはどうでもいい。

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こいつらの動きがいい。彫刻というより、ダンスだと思った。ライトが踊り子なのである。

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一糸乱れぬ動き(当たり前だが)。

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それが見せてくれる、変幻自在の風景。

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いや、おまえらほんとうにすごいよ。そう思った。


チームラボ 光の彫刻(スロー)

意味もなくスロー。

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あとはこんなんどんだけ広いん? 思うでしょ。

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もう、極楽浄土かいなと思うでしょ。思わんか。まあいい。

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そして、2階のこの展示。行列ができていた。入れ替え制。行列ができていたのは、これと、あとに出てくるもうひとつ。

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これなあ、問答無用にきれいだろっていう。

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もちろん、鏡を使っているのだけれど、無間、無限、夢幻なのよ。

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青くなっても悪くない。

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床を見たって悪くない。

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そして、3階へ。3階は運動の森。子供向け、というか子供専用の展示もある。が、大人も楽しい。

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たとえば、こんなふうに所定の用紙にクレヨンで好き勝手に絵を描く。それを係員にわたすとスキャンしてくれる。

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したら、おれのトカゲが地面を這い出す。おれのトカゲ!

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おれのトカゲのあとを追うだけで楽しい。ただ、説明には、トカゲはカエルを食べないと死んでしまうとあったが、カエルが一匹もいなかった。

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おれのトカゲはカエルを食うことなく消えた。残念な話である。

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プラネッツでもあったようなやつー。

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で、また、塗り絵。

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壁に登場。……おもしろいのが、さっきのトカゲにしろなんにせよ、解説板もなければ、係員が解説するでもない、ということだ。みな、置いてある用紙を自然に手に取り、勝手に色を塗り、なんとなく並んでいるところにならび、スキャンしてもらう。もちろん、係員に聞けばどういうことか答えてくれるのだろうが、それ以上は必要ない、という割り切り方。そんなものなくてもパッとわかってしまうところ。その仕掛けは見事というような気がした。

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これも子供のみのアトラクション。なんか登るらしい。やってみたかった。

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これは大人も可のアトラクション。ブランコみたいな足場が連結されていて、その上を歩く。人が揺らせばこちらも揺れる。おれが揺らせば他人も揺れる。ちょっと苦しい、でも足を踏み外すほどでもない絶妙さがあった。

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あと、これはわかりにくいが滑り台。人が滑ると、映し出された玉や花が弾け飛んだり、散ったり、花火みたいに炸裂したりする。おれも滑った。

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3階(……とさっきから言っているが、チームラボボーダレス的には3階であって、建物的には2階かな)からは出口までの階段がある。が、展示に戻る入口もある。実は、最初に入ったゾーンで行列ができていて、それを見逃したのでそこに行こうということになったのだ。

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それがまあ、すごい行列でさ。係員さんが他のお客さんに言うには80分待ちとかなんとか。でもまあ、壁にはなんかこんなおっさんたちが行列して、なんか奏でてくれたから飽きないし。

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適当にお喋りしてれば、まあ60分くらいは……。

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60分くらいは経つ、のだけれど、果たして正しい時間の使い方かどうかはわからない。同じ時間、一度行った展示にまた行くのもいいだろう。時間と共に変化する自動生成。あるいは、またクレヨンでお絵かきしてもいい。

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が、並んでしまったのだ。「巣」だというが、なんだかわからぬ。いよいよ近づいてくると、係員さんが「網だからケータイなど落とす可能性がある」といって袋を配っている。また、ヒールのあるサンダルの人などに靴を貸したりしてる。

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たしかに、下は網、であった。そして、そこに寝っ転がったりして、びゅんびゅん飛び去る景色を見る。が、もちろん入れ替え制、時間制限がある。ひとつの展示としては悪くないが、60分以上並ぶほどかどうかはわからない。

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その後、出口を求めてさまよい(「迷います」なので)、一度3階に行けと案内され、なるほどさっきの3階からの階段がたった一つの出口なのだと悟り(入り口にたどり着いて出ようとしたら、入り口だから出られない、と言われたりした)、また階段をのぼる。けっこうハードだ。

そして出口。ロッカー(100円投入、使用後リターン)にたどり着き、外に出てみれば夜なのにえらく暑く、暗い。時計はもう9時半くらいになっている。5時間くらいいたのだろうか。晩飯はどうしようと思っていたが、ふたりとも空腹だったので、出たところにあるウェンディーズに入ってすませた。りんかい線で大崎まで出て、なんとかラインで横浜まで帰った。以上。

 

まとめ

  • チームラボボーダレスは夕方に行くとわりとすんなり入れる。
  • 行列のできる展示に参加するかどうかは好きにしていい。ただ、2階のランプは見ておいたほうがいいかな。
  • チームラボプラネッツに比べて、広く、自由で(あっちは一方通行)、たくさん展示があって、コストパフォーマンス的には圧倒的にボーダレスのほうがいい。2つ合わせて割ってちょうどいい、という塩梅だろうか。あと、ボーダレスの方は水を使ってないので濡れない。
  • これが現代芸術においてどのような位置を占めるのか、埒外なのか、おれにはわからない。遊園地のビックリハウス(おれは遊園地のビックリハウスに入ったことはないが)の大げさなもの、といわれたらそうかもしれない。ただ、おもしろい大げさなのだから、よい。
  • チューブ入り絵の具の発明が印象派を作ったとかなんとか言われたりするようだが、技術いうものが芸術の新しい表現を作り出すことは間違いない。チームラボのそれは、まだ荒削りと感じるが、こういう方向性があるのだということに間違いはないように思える。
  • おれは、もっと進化したチームラボ的なものを期待したい。もっと個人の携帯端末との連動があったり、館内でずっと案内してくれる個人個人のガイド(自分が描いた落書きが壁に投射されるのでもいい)がついたり、VRを利用したり、なんなら電脳に直結で……。まずは解像度をあげるとか、そんなんでもいい。あるいは、人々の動きを感知して、行列が出来ないように興味を誘導するとかでもいい。ともかく、まだ、なんかありそうだぜ、できそうだぜ、と感じた。
  • とはいえ、現時点でも十分楽しめるので行くがいいさ。大人も子供も大喜びさ。
  • 以上。